曲木家具とゆるやかな時間を。曲げ木のやり方と、向いている木材

曲げ木とは?

曲げ木とは、一本の木材に蒸気を当てることで、思い通りの形に曲げ加工したものです。曲げ木家具は、ボルトで接がれた家具と比べて、有機的な温かみのある曲面を作れるのが特徴です。また、木を曲げる加工を施すことにより強度が増し、耐久性が上がるというメリットもあります。例えば、artek社のスツール60は発売から80年経ちますが、発売当初の椅子(80年前の椅子)が今でも現役で活躍しているのです。
他にも、曲木を椅子の脚に使ったL-レッグテーブルや、日本製の曲木家具なども作られています。

可塑性とは – 「木が曲がる」ってどういうこと?

水分が多く含まれた木材は、熱すると柔らかくなるという性質があり、自在に形を変えられるようになります。
この性質を「可塑性(かそせい)」といいます。「塑(そ)」という字には土という部首が入っていますが、もともとこの漢字一字には「土をこねて形を作る」という意味が込められています。自在に変形できることを喩えて、可塑と呼ぶわけですね。

曲げ木に向いた木材の条件

職人はよく「粘りがある木が向いている」といいますが、これは先述の可塑性が高いかどうかを述べています。

オーク材(ナラ)

曲げ木と言えばオーク材と言われるほど、オーク材は曲げ木家具によく使用されています。ナチュラルな雰囲気で北欧家具でよく使用されているほか、日本国内の製品でも曲げ木家具としてよく扱われています。虎斑と呼ばれる独特の木目が美しく、使い込む程に飴色に変化するのも魅力的です。

バーチ材(カバザクラ)

曲げ木家具の代表的デザイナー・アアルトによってデザインされたArtekのスツール60は、フィンランド産の白樺(バーチ材)でできています。脚の曲線が、曲木によって作られており、高い耐久性を誇ります。
フィンランドは国土の大半を森林が占める、木材資源の豊富な国です。この豊富な資源に着目して生まれたのがスツール60なんです。スツール60は、美しさだけでなく自国の資源を活用した製品なんです。

ビーチ材(ブナ)

曲げ木に適した素材の一つで、国内の曲木家具で有名な秋田木工さんが使用しているほか、ヨーロッパ製の家具にもよく使用されています。

楡(ニレ)

木目の粗さを活かすためにダークな色合いに塗装されることが多い楡。粘りが強いので曲げ木にもよく使用されます。独特な木目がインテリアのアクセントとなるでしょう。

杉などの針葉樹

近年は杉といった針葉樹を曲げ木で使う試みもなされています。

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