躯体とは何? 木造・鉄骨造・RC造それぞれの躯体と特徴

代表的な躯体 – 木造・鉄骨造・RC造

躯体(くたい)とは、建物を支える骨格のことです。躯体の「躯」とは「からだ」の意味を持ちます。「構造躯体」も「躯体」とほぼ同じような意味で使われています。

躯体は、「構造」もしくは「構造部」と呼ばれることもあり、以下の記事では「構造」として紹介していました。

・木造・鉄骨造・RC造それぞれの細分化 家づくりの工法のまとめ

ここでは、木造・鉄骨造・RC造という代表的な3つの躯体と、その強さをどのように確保するかを紹介します。

木造住宅における「躯体」の強さ

主要な構造部分が主に木材でつくられている住宅が木造住宅です。木造住宅の工法は色々とありますが、一般によく想起されるのは「木造軸組住宅」でしょう。柱の間に筋交いを入れる技術で耐震性を高めています。木造軸組住宅はざっくりというと垂直方向の「柱」と、水平方向の「梁」を組み合わせて作ります。また、外壁も耐震性に寄与しています(耐力壁)。
これらから躯体の強さは、基礎・木材・壁(耐力壁)・床(剛床)によるということがわかります。

鉄骨造住宅における「躯体」

鉄構造は主要な構造部分が鉄骨でつくられている住宅です。鉄構造の躯体の強さは、基礎や鉄製の部材によります。外壁は耐震性に寄与しません。

RC造住宅における「躯体」

RC造は鉄筋コンクリート造とも呼ばれており、躯体の大部分は鉄筋とコンクリートでできています。

・RC造が強い理由 鉄筋が錆びないのはコンクリートのおかげだった!

RC造の躯体の強さは、基礎及び、コンクリート・鉄筋部分で決まります。

「躯体とは何?」を理解しないと、「耐震性」は見えてこない

さて、以上が各構造における「躯体の強さ」の紹介でした。この知識が何の役に立つのか…と疑問に思われたかもしれませんが、実は「耐震性」について理解する大前提となるのです。

というよりも、「躯体とは何か」を理解しない限り、「耐震性」という言葉ははっきりとイメージできず、ぼんやりとしたイメージでしか捉えることができないくらい重要なのです。

この記事を読むまで「躯体」を存じなかった方は、「耐震とは何か」をよく知らなかったと言っても過言ではないのです。

なぜそこまで言い切れるかというと、耐震性とはスバリ「地震が起きても躯体が傷つかない・崩壊しないこと」だからです。「躯体」が主語なので、躯体を知らなければ耐震性に関する議論はできないのですね。

詳しくは、次回のブログでご説明します。

・木造でも震度7に耐える家を 耐震設計のための構造計算とは?

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