東京の土地探しは「高度地区制限」(北側斜線制限)に注意

東京の家づくりでは「高度地区制限」に注意が必要

東京で家を建てようとすると、まず東京の土地探しを始めることになります。しかし、東京は地価が総じて高かったり、人口が多いので良い土地はすぐに売れてしまったりして、なかなか難しいものがありますよね。ご予算や地域、土地の形など全ての条件にあった土地とめぐり合うことは難しく、「100点の土地は見つからないもの」と実感することがスタートラインです。
さらに、東京の土地探しでは考えなければいけない諸要素が多く、その一つに「高度地区制限」があります。土地を探すだけでも困難な上に、せっかく見つけた土地に「高度地区制限」がかけられていた…となると、どうしてそんな制限があるのだろうかと疑問に思ってしまいますよね。

「高度地区制限」は、その地区に建築物が新築される際、既存の建物の生活環境(日照等)が悪化しないために必要な制限です。
例えば、お施主様が新居を建てた後、南側隣地境界線の50cm制限ギリギリに大きな建物が建ってしまったら、今までのような日当たりを確保することが難しくなってしまいますよね。そのようなことがないように、「高度地区制限」では、地区によって規定の高さが設定されています。
つまり高度地区制限は、お施主様の新居の住環境を守る規制でもあるのです。

高度地区とは?

高度地区とは、「街の環境維持や土地利用の増進を図る」ため、高さの最高限度や最低限度が定められた地区のことです。高度地区に住宅を建てる場合は、隣地の住環境(特に北側隣地の日照)を脅かしてしまわないよう、設計上の配慮が求められます。

高度地区による北側斜線制限

高度地区の制限の中で代表的な制限が、北側斜線制限です。これは新築の建物の北側に以前から建っている建物の日照を確保するための制限です。

北側斜線制限とは?

太陽は昼間、季節に関係なく南側から照りつけます。そのため、北側の隣地境界線寄りに住宅を建ててしまうと、北側にある隣地の日照が確保できなくなってしまいます。このような事情から、北側の隣地境界線上の一定高さ(5m, 7m, 10mのいずれか)から決められた勾配の斜線を引き、斜線にかからないよう住宅を建てなければならない、という制限がかけられています。
北側に建っていた建物側から見れば、北側斜線制限があるおかげで南側の空き地に建物が新築されることになっても、日照が確保されるということになります。
つまり、北側斜線制限とは、住環境(日照)の保護のための規定なのです。

北側斜線制限の内容(高度地区の場合)

東京都では、第1種/第2種/第3種高度地区制限と3種類の高度地区制限が定められています。地域によって細かい数値は異なりますが、それぞれの地域で北側隣地の日照が確保されるよう、建物の最高限度が細かく定められています。

種別 規制内容(北側斜線の引き方)
第1種高度地区 北側隣地境界線の5m上方から1:0.6の勾配
第2種高度地区 北側隣地境界線の5m上方から1:1.25の勾配。
さらに、上記斜線上の15m上方の地点から1:0.6の勾配
第3種高度地区 北側隣地境界線の10m上方から1:1.25の勾配。
さらに、上記斜線上の20m上方の地点から1:0.6の勾配

北側斜線制限の内容(用途地域制限もかけられている場合)

都市計画において制定される用途地域制限においても、北側斜線制限を受けることがあります。
用途地域制限については、以下の記事で紹介しています。

・住居専用地域に注文住宅を建てる時の注意点

用途地域制限で北側斜線制限がかけられている場合は、下記の用途地域に指定されている場合です。

  • 第1種低層住居専用地域
  • 第2種低層住居専用地域
  • 第1種中高層住居専用地域
  • 第2種中高層住居専用地域

用途地域制限と高度地区制限の両方がかけられている地域の場合はどうなるかというと、高度地区制限の方がより「厳しい」規制内容となっていますので、高度地区制限の数値が優先されます。
まとめると、北側斜線制限の規制内容は、下記の表のようになります。

用途地域制限による北側斜線制限が
かけられている
用途地域制限による北側斜線制限が
かけられていない
高度地区制限が
かけられている
高度地区制限による
北側斜線制限が適用される
高度地区制限による
北側斜線制限が適用される
高度地区制限が
かけられていない
用途地域制限による
北側斜線制限が適用される
北側斜線制限はかけられない

都市計画情報から高度地区を読み取ろう

新居の予定地が高度地区指定されているかどうかを調べるには、地域の都市計画情報を見ればわかります。
例えば、リガードのある国分寺の都市計画情報は以下のページにあります。

・都市計画情報等インターネット提供サービス _ ポータルページ

リガードでは、西東京の用途地域のリンク集をご用意しておりますので、よろしければご活用ください。

・東京都の用途地域の調べ方【西東京の都市計画図リンク集付き】

東京の土地探しと、土地にあった家づくりならリガードへ

東京での土地探しは大変です。条件に合う土地が見つかったとしても、土地の制約の中で、施工会社が希望に応えた家づくりをしてくれるかどうかはわかりません。
土地を決定する前に施工会社を決めるか、少なくても数社まで施工業者を絞っておいて、検討中の土地について随時共有をしておくようにしましょう。

施工業者を数社に絞り込んでおくことで、施工業者に「このような土地が見つかりました、この土地にはどのような家を建てることができますか? 私たちの希望は…」と業者と相談をすることができますし、土地探しについてアドバイスを受けることもできます。

もちろん、都市計画情報を見ながらのアドバイスも可能ですので、「都市計画情報の見方がよくわからないし、どのような家を建てられるのか全く想像ができない」という方もお気軽にご相談ください。
国分寺の工務店・リガードでは、家づくりに悩まれているお施主様のご来訪を常にお待ちしております。

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