建築事例WORKS
お料理が冷めないうちに…
- 建築地
- 東京都
- 坪数
- 26〜30坪
「賃貸で家賃を払い続けるのなら、早めに買った方がいい」と考えたTさまご夫妻は、マンションにするか注文住宅にするかで迷ったと言います。時間をかけて、自分たちにとって一番住みよい環境を考え続けた結果、設計の自由度が高い木造軸組工法にアトリエ建築家が設計デザインを手掛けるリガードで注文住宅を建てることを決断しました。「リビングは私たちにとって何よりくつろげる場所にしたかったのです。開放的な住まいで、いつでも家族を身近に感じられる暮らし。たとえば出来あがったお料理を熱々のまま楽しめるような、オープンキッチンとリビング、ダイニングの距離感を大事にしました」とTさま。道路側の開口部を少なく、窓のサイズや配置にいたるまで緻密にデザインされた住まいは、光と陰影のグラデーションが印象的で、心地よい時間が流れます。広々とした開放感あふれる空間構成は、モノを表に出すことなくシンプルに暮らしたいとこだわったバランスのよい収納の賜物。「インテリアや家電など家の中にあるものは暮らしていくうちに変わっていきますが、住まいは簡単に変えられないので、ベースのデザインはシンプルに。暮らし方に合わせてフレキシブルに合わせられるようにしてあります」とTさま。家じゅうをやさしい光が包む住まいで、穏やかな暮らしを楽しんでいらっしゃいます。
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ショールーム見学やウェブサイトを見るなどして、色や形を厳選したというキッチンは、ご夫婦揃ってのお気に入りです。「週末など時間のある時にはラザニアを焼いたり、クリームブリュレをつくってみたり、家で過ごす時間を楽しんでいます」とTさま。キッチンの背面収納は、天井高いっぱいまで使える大収納。折り戸ではなく引き戸にして、使いやすくしました。
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「見え方にも、こだわり抜きました」という外観。スクエアでシンプルな造形にスタイリッシュな黒のジョリパッド壁を組み合わせました。玄関回りに木をあしらって、外装のアクセントにしました。仕上がりの美しさはもちろん、窓など見える部分の開口部は最小限に留め、面を美しく見せるために要素を少なくしたシンプルモダンなフォルムは、街並みに際立った存在感を放っています。
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パントリーの一角には、玄関やリビング・ダイニング側から隠れるように生活収納棚を作りつけました。段数や高さが調整できる可動棚なので、置いておきたいモノに応じたフレキシブルな使い方ができるスグレモノ。キッチンを中心にぐるりと回れる回遊動線で、暮らしの中での小さなストレスをなくしてくれます。
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視覚的に広がりを感じるワンフロア設計の開放的なLDK。仕切りのないひとつながりの大空間は、隅々にまで光が届きます。「日中は電気を点けることがないですね。外から見ると窓がないので、遊びに来る友人たちは、中に入ると明るさに驚きますね」と奥さま。
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低い位置に大きく開いたピクチャーウィンドウが、リビングに印象的な光を落としています。時間と共に移ろう光と影が、暮らしに豊かな表情を添えます。窓のロールスクリーンを下ろすと、開放的な大空間はファミリーシアターに早変わり。「濃淡のバランスもお気に入りです」というフローリングはオークの無垢材を採用しました。
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2階トイレは扉を引き戸にすることで、限られたスペースをできる限り広く、有効活用しました。敷地の形状や近隣の建物との距離なども考慮しながら、奥の洋室から直線的に光が抜けるように設計されていて、2階も隅々まで明るく居心地がよいデザインです。
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LDKとの境界をあいまいに、空間を一体化して使うことで、玄関を広く使うことができます。シューズインクローゼットを備えた玄関は収納力も十分で、玄関回りは撮影時の機材を並べて置いていても、中と外の行き来がスムーズにできるほど幅がありました。左右の窓から光が入ってくるので明るく、気持ちのいい空間に仕上がっています。