住宅性能表示基準を見れば、住宅用火災警報器の設置箇所が分かる!

感知警報装置設置等級ってどんな基準なの?

感知警報装置設置等級という、住宅性能表示の評価基準について聞かれたことがありますか。感知警報装置設置等級は、発生した火災の早期の知覚のしやすさを表す評価基準で、1から4の等級により、感知器と警報装置の設置状況や自動化の程度を示すことができます。例えば、等級1は消防法で定めるレベルを表しており、火災を早く察知して迅速に避難を開始するための重要な基準となっています。場所によって火災の発生する原因や危険性が異なっているため、設置場所により取り付けるべき火災警報器の種類が異なっています。ここでは、火災警報装置の種類や設置場所について、分かりやすく解説したいと思います。

熱式の火災感知器には常温式と差動式がある

設置が義務付けられている住宅用火災警報器には、熱式と煙式の2種類があります。熱式の火災感知器には、熱の検出方式によって、定温式と差動式に区分されています。定温式の熱感知器は、火災の熱により一定の温度以上になると作動するもので、スポット型と感知線型があります。差動式の熱感知器は、火災の熱により一定の温度上昇率以上になると作動するもので、スポット型と分布型があります。熱式は、台所などの火災以外の煙で警報を発する恐れがある場合に設置することができます。熱式の火災報知機は、火災の炎により周囲の温度が60℃以上に上昇すると、警報が鳴る仕組みになっています。

煙式の火災感知器には光電式とイオン化式がある

煙式の火災感知器は、火災により発生する煙を感知する火災警報器で、火災の発生を初期段階で検出することができます。一般的には、煙式の火災報知機を設置するのが、全ての設置場所において基本となっています。煙式の火災感知器は、光電式とイオン化式に区分されています。光電式の煙感知器は、火災の煙による光の乱反射または遮光を検出するもので、スポット型と分離型があります。イオン化式の煙感知器は、火災の煙による空気の電離状態の変化を検出するもので、スポット型しかありません。寝ている時に発生する火災の煙による事故が多いため、寝室や寝室がある階の階段には、原則として煙式を設置することが要求されています。

台所は熱式、階段には煙式が要求されるのはなぜ?

感知警報装置設置等級の等級4では、全ての台所および居室で発生した火災を早期に感知するために、警報を発するための装置を設置することになっています。同じ住宅であっても、場所によって火災の発生する原因や危険性は異なっており、台所では熱式の火災感知器を設置することが要求されています。台所では、火災以外の煙が発生しやすいため、調理中などに出る大量の湯気や煙で作動することがない熱式の火災感知器が適しています。とはいえ、台所では揚げ物による火事も起きやすいため、万が一に備えて、煙式の火災警報器も取り付けておくと安心です。また、煙は階段を通じて上階へ広がることが多いため、階段には煙式の火災感知器の設置が要求されています。

住宅用火災警報器のことなら専門家に相談しよう

注意すべき点として、住宅用の火災警報器をどこに取り付けてもよいというわけではなく、取り付けてはいけない場所もあります。例えば、石油ストーブの近くなど、ススや水蒸気が発生する場所には取り付けてはいけません。また、浴室など水がかかる場所や、常時温度や湿度が高い場所も適していません。空気の流れが激しい場所、換気扇や扇風機、エアコンの近く、すきま風の強い所なども取り付けてはいけません。あくまで一基準ですが、知っておけば防火意識を高めるにも役立ちます。住宅用火災警報器については専門的な知識が必要となる部分が大きいので、分からない点などあれば住宅の専門家に相談してみましょう。