介助を最小限に抑えられる、自立度の高い家づくりのヒント

車椅子ユーザーが一人で生活できる家づくり

ドラマで病院のシーンには画面の隅に車椅子を押してもらっている患者が写っていることが多いです。
また最近はCMや番組でもパラアスリートが出演することが増えてきています。

このようなことから、多くの人が想像する車椅子ユーザーは、車椅子を押してもらっているイメージか、身体能力の高いアスリートと、二極化しているような気がします。

しかし、実際はその中間くらい、常に介助を必要としているわけではないけれど、なんでも一人でできるわけではない、それくらいの車椅子ユーザーが多くを占めています。

そのような車椅子ユーザーにとって、生活環境を整えることはとても大切です。
環境さえ整えば周りの人の手を借りずにできることって意外と多いんです。

一人で出来ることを増やすことで、視野が広くなります。今まで諦めていた進学、就学、結婚なども希望が見えてくるかもしれません。

もちろん全てを一人でと言うのはなかなか難しいかもしれませんが、一人で出来ることを増やすことは車椅子利用者にとっても、その家族にとっても負担を減らすと言うことにつながってくるのです。

車椅子でも一人で生活動作を行える工夫

多くの家事は立って行う動作が基本になっているので、その家事の為の製品も立って利用することを前提に作られているものが多いです。
そこで、座ったままでも使える道具を導入するなどの工夫が必要になります。

洗濯

縦型洗濯機では車椅子では洗濯機の中身を取り出すことができません。
しかし、ドラム型なら車椅子でも衣類の出し入れがしやすいです。
乾燥までそのままおこなえば干す手間も省けます。

掃除

掃除機を持ちながら車椅子を操作するのは難しいですよね。
ルンバなどのロボット掃除機を取り入れれば自動で掃除をしてくれるので便利です。
車椅子で生活できるフラットな家はロボット掃除機の動線も邪魔しません。

料理

通常のキッチンは車椅子に座ったままシンクやコンロに届かず危険を伴います。
例えば、LIXILのウエルライフというシステムキッチンは、シンクとコンロの下が空洞になっている構造です。
この為、キッチンの奥まで手が届くので車椅子に座ったまま調理が可能になっています。

水回り

洗面台も車椅子のまま利用できる製品を利用することで洗顔や歯ブラシなどがとても楽にできるようになります。
お風呂やトイレも身体の状態によっては、幅や手すり、補助具などをうまく組み合わせることによって一人で、または介助負担を少なくすることが可能です。

車椅子でも諦めない家造り

筆者(mai)は中途障害なので、歩いていた頃の筆者を知っていた人に現在車椅子ということを伝えると、様々な反応があります。もう一緒に遊べないのかと思われてしまったり、パラスポーツを進められたり・・・

車椅子になっても、今までのように遊べないということもないですし、一人暮らしができないわけでもありません。
少し工夫が必要ではありますが・・・

今、家族に車椅子ユーザーがいらっしゃらない場合でも、今後もそうとは限りません。
人生何が起こるかわからないのです。
しかし、もしそのようなことが起こっても、工夫次第でなんとかなることも多いと知っているか知らないかでは、その後の生活は大きく変わってきます。

今健康な方でも、車椅子でも工夫すれば結構できることってあるんだなということを頭の片隅にでも留めておいていただけたら幸いです。