バリアフリーと階段。上りやすい階段の「寸法」について

毎日の生活に関わる「一戸建ての階段」

一戸建ての暮らしにおいてほぼ毎日使用することになるのが「階段」です。
多くの、特に都市部の一戸建て住宅はほとんどが2階建以上の建物となっており、階段は毎日の生活でほぼ避けては通れないものになります。

しかし、階段の昇り降りは歳をとるほどに辛くなってくるものです。
末長く住みやすい家を保つためには、階段を足腰が弱ってきてしまっても使いやすい仕様にしておくということが大切になります。

将来のために、家づくりの段階で使いやすい階段の寸法について知っておくと良いですよ。

階段の法定寸法と「上りやすい階段」の寸法とは?

階段の法定寸法

階段の寸法には建築基準法で一定の基準が定められています。

踏面から踏面までの高さ、つまり階段1段分の高さを蹴上と言いますが、こちらが23センチ以下、階段の足のおく場所、つまり踏面は15センチ以上、そして階段と踊り場の幅は75センチ以上が必要になります。

上りやすい階段の寸法

建築基準法の数値は最低基準であるため、この数値でもし階段を作ってしまうととても利用し難いものになってしまいます。

健康な時には「ちょっと不便だな」で済むかもしれませんが、足腰が弱ってきたり、ちょっと怪我をしてしまったり、筋肉痛や疲れが溜まってしまったなど、体調が良くなかったりするときは「不便だな」ではなく「登れない」階段になってしまう可能性も出てきてしまうのです。

そうならないためにも、階段は昇降しやすい寸法を考えて施工する必要があります。

昇降しやすい階段は、踏面と蹴上のバランスで決まると言われています。
そのバランスは「蹴上×2+踏面=60cm」という式で成り立つと言われています。

60センチと言うのが日本人の標準的な歩幅に合っていて無理なく階段を昇降できる幅なのです。
公共施設などではこの式に当てはまるように階段が設計されています。

しかし、歩幅には個人差もあるため、戸建て住宅の場合は住む方に合わせて臨機応変に対応すると良いでしょう。

将来まで見通した「住宅設計」を

家は何十年も住まうもの、住んでいるうちにライフスタイルも身体もどんどん変化していきます。
その変化に家が対応できないようであれば、将来的に住みにくい家になってしまいますので、家づくりの段階からある程度将来を見据えた設計が大切になってきます。

リガードでは建築家と話し合いをしながら家づくりを進めております。
お施主様のライフスタイルに合わせた家づくりを行なっておりますので、将来の不安も含めてぜひお気軽に相談ください。

著者プロフィール

maitoran(堀江麻衣)
ライター 堀江麻衣さん近影

不動産分野全般に執筆実績と関心のあるフリーライター。
2014年に中途で障害を持ち、以来「日々の暮らしの”不便”を”便利”に変える」をモットーに、家づくりについて研究中。
日々、住まいを改造・改築しながら、快適な家づくりを目指している。
趣味:スケート観戦、ハンドメイド(羊毛フェルトでなんでも作る)、間取り図を見ること、旅行。
2匹の犬と暮らして溺愛中。

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