収納から考える間取り術 収納スペース量から動線を改善する思考法とは?

間取りと動線、そして収納の密接な関係

間取りを考えていく上で、重要なのが動線です。毎日生活をする家ですから、動線が悪いと不便ですよね。ちょとした不便が、不満となって積み重なり、「家づくり失敗したかも…」と感じてしまっては大変です。そのため、その家に住まう人の動線を考えた上で、効率の良い動線設計を間取りに取り込んでいくことが大切になります。

しかし、どんなにうまく動線設計ができたように見えても、実際に住み始めてみると理想通りにはいかないケースもあります。その原因の一つが、「物を散らかしてしまい動線が塞がってしまう」という現象です。
日々忙しい生活を送っていると、つい近くのスペースに物を置いてしまい、動線をふさいでしまうということはありますよね。あとで片付けようと思っても、そのままにしてしまったり…
実際に住み始めてみると、設計段階では想像しなかったケースが多々発生します。住んでから失敗しないためにも、住み始めてからの暮らしを想像しながら間取りを検討するようにしましょう。

間取りにおけるフロー空間とストック空間

ここで考え方を整理するために、「フロー空間」と「ストック空間」という一つの考え方をご紹介します。

フロー(flow)空間とは、人が動くための空間を指します。つまり、流れ(動線)を作る空間のことですね。廊下はもちろん、リビングやダイニングの動線もフローにあたります。

一方、ストック(stock)空間とは蓄積をするための空間です。健康で快適な生活のため「ストック」しておく様々な物の置き場所を指します。
クローゼットやパントリーなどの収納場所はもちろん、洗濯機や冷蔵庫などの家電製品の置き場所、家具の置き場所、さらには便器やバスタブの取る面積もストックにあたります。

このように考えることにすると、家の中の空間は、フロー空間かストック空間のどちらかに分類されることになります。

フロー面積 + ストック面積 = 延べ床面積

(もちろん、好きな場所に座ってくつろぐフリースペース的な空間もありますので、常に明確な切り分けが出来るわけではありません。)

延べ床面積は施工時に決まっているので、フローとストックはトレード・オフの関係にあります。
間取りに十分なストックを持たせないと、部屋が散らかりがちになり、フローを阻害してしまいます。
逆にストックを必要以上に持たせすぎるとフローが狭まることになり、日常生活において不便さを感じる可能性が生じます。
ライフスタイルによって、必要なストック空間の量は異なりますので、お施主様の生活上の要件を取り入れた、バランスを見極めた設計が大切になります。

バリアフリーの間取りにも大切な動線設計

この考え方はバリアフリー設計を考える上でも大切です。足腰の不自由な方は、動線上が散らかっていると健常者以上に通り抜けるのが大変です。車椅子や杖の利用者には、廊下にスリッパが脱ぎっぱなしで放置されているだけでも通行の妨げになるのです。手すりを設置する場合も、手すりの下に物が置かれている状況では、手すりが利用できなくなってしまいます。このようなケースは、収納が足りていない場合に起こりがちです。収納が足りないので、動線部分にまで物が溢れてしまうのです。

また、足腰の弱い方はできる限り短い動線でお風呂やトイレなどに辿り着きたいものです。部屋からトイレやお風呂、洗面所といった毎日利用するスペースへの動線もしっかり考慮できると良いでしょう。

注文住宅なら収納と動線を考えた間取り設計が可能

空間の使い道をお施主様のライフスタイルに合わせて設計するのは、注文住宅でしかできないことです。リガードでは、「建築家と建てる家づくり」を行なっております。お施主様のご要望を丁寧に聞いた上で家づくりを進めてまいりますので、きめ細やかな対応が可能です。
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