RC造の家は本当に火災に強い?知っておくべき、RC造の実態

鉄筋コンクリート造は火害に強い?

一般的に鉄筋コンクリート造の建物は、火災に強いと言われています。

実際に基本的には、コンクリートが燃え切るということはまずありません。

昨今は鉄筋コンクリート造の建物が多いため、火災で家が全焼してしまうということは少なくなってきているでしょう。

木材や鉄骨の建造物では、1000度近くの高温に晒されると、あっという間に建物は崩壊へと向かっていってしまいます。

一方、鉄筋コンクリート造の建造物は、1000度の熱に2時間近くの耐久性を維持することができ、倒壊を免れることができるのです。

もちろん、火災は起きないにこしたことはないのですが、万が一に備えて火災に強い鉄筋コンクリート造は安心ですよね。

火害を受けた鉄筋コンクリート造はどうなる?

鉄筋コンクリート造が火災に強い建造物といっても、安心ばかりはできません。

火災による被害が甚大ではなかったとしても、火災の熱により支えるコンクリートが劣化している可能性もあるのです。

火災による倒壊を免れたとしても、長時間熱に晒されたことにより、構造物が劣化してしまう場合もあります。

500度程度の温度であれば、変色するくらいで、そのまま再利用しても問題ない程度です。

しかし、それ以上の高温に長時間晒された場合、融解などを起こしてしまいます。

また、鉄筋コンクリートは局部的な熱にあまり強くなく、500度以下の通常耐えられる温度の熱でもひび割れの原因となってしまう場合があります。

太陽光でも、一部だけ日当たりが良い状態が続けばひび割れの原因となってしまう場合があるので、注意が必要です。

さらに、高温状態が続くとコンクリート内のアルカリが二酸化炭素に触れ、中性化します。

中性化すると、コンクリート内の鉄筋が錆びてしまう要因にもなるのです。

・RC造が強い理由 鉄筋が錆びないのはコンクリートのおかげだった!

火害調査で鉄筋コンクリートの状態を調べてみよう

火災が起きた、長時間太陽光の熱に晒されているなど、鉄筋コンクリート造の劣化が気になる場合は、火害調査を実施してみると良いでしょう。

調査をすることで、早めの対応をすることができれば、大事に至る前に構造物を再利用するなど、前向きな方針を提案できる場合もあります。

また、熱に晒されていない状態でも、ひび割れやボルトの緩みなどが生じていないか、普段から住まいのチェックを欠かさないようにすることが大切です。

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