軸組工法の「筋交い」って知ってる?住宅の耐震性を実現する技術について

長期優良住宅と認められるのは、耐震等級2以上の住宅

住宅の耐震性能を実現するために、軸組工法の筋交いという技術が利用されています。住宅性能表示基準において長期優良住宅と認められるためには、耐震住宅または免震住宅のいずれかに適合して、耐震等級2以上の住宅である必要があります。耐震等級2の基準は、数百年に一度程度発生する地震力の1.25倍の力に対して、倒壊や崩壊をしない程度の耐震力が規定されています。では、軸組工法の筋交いとはいったい何で、どのように耐震性を実現できるのでしょうか。ここでは、住宅の耐震性を実現するための軸組工法の筋交いについて、分かりやすく解説したいと思います。

「損傷防止」と「倒壊等防止」を実現する耐力壁

耐震等級のレベルを測るために、「損傷防止」と「倒壊等防止」が規定されています。建物は真上からの重さには柱で支えることができますが、積木と同じで横からの力には弱いという特徴があります。そこで、建物の横から来る力を支えるための耐力壁(耐震壁)を効果的に使うことが必要となります。横からの力として、地震時の横揺れや台風時の強風などがあります。耐力壁は耐震だけでなく耐風にも効果があり、損傷防止と倒壊等防止を実現することができます。耐力壁は、耐震壁や耐震ブレースとも呼ばれており、木造住宅だけでなくプレハブ住宅でも使われています。

耐力壁は軸組工法の筋交いが代表的

軸組工法とは、木材の土台や柱の骨組みに筋交いなどの補強材で強度を高めた工法のことで、筋交いとは柱と柱との間に斜めに入れる建材のことです。軸組工法の中でも、とくに木造軸組工法は設計の自由度が高いため、面で支える2×4工法よりも人気があります。2×4工法では、面材といって構造用合板などが耐力壁として使われ、木造住宅ではいろいろな種類の耐力壁を組み合わせて使われています。耐力壁には、種類ごとに壁の強さを表す倍率があり、倍率が強い壁ほど、横からの力に対してより強い壁と言えます。筋交い以外の広い面材を使って作る耐力壁のことを、面材耐力壁と呼ぶこともあります。

軸組工法の筋交いと、2×4工法の面材

免震構造を実現する「アイソレータ」と「ダンバー」

免震構造とは、建物をなるべく揺らさない構造のことです。従来の耐震構造の建物は地面の上に建物が建っていましたが、免震建築物は地面の上に免震装置があり、その上に建物がのっています。免震装置が地震の揺れを吸収することで、建物に地震の揺れが伝わりにくくなります。免震構造を実現するための装置として、アイソレータとダンバーがあります。アイソレータ(アイソレーター)には、積層ゴムやすべり支承、転がり支承などの種類があり、建物を支えて建物をゆっくりと移動させることができます。ダンパーには、オイルダンパー、鋼材ダンパー、鉛ダンパーなどの種類があり、いつまでも続く揺れを止めることができます。

下図は、アイソレータの機能を表しています。

アイソレータが大地震時の家屋倒壊を防ぐ

近年注目されている新しい工法 – SW工法とSI工法

リガードの一部の家では、スーパーウォールパネルと呼ばれる壁材でモノコック構造を作る、スーパーウォール工法(SW工法)と呼ばれる新工法で耐震性を実現しています。

詳しくは、以下のリンク先をご覧ください。

・モノコック構造が強いのはなぜ? SW工法の家を建てるなら知っておこう

・TRETTIO

また、オランダ生まれのスケルトンインフィル工法というものもあります。スケルトンインフィルとは、骨組みや構造体(スケルトン)と、内部の設備や内装(インフィル)を分けて考える住宅のことです。

・オランダ生まれの新工法、構造と内装を分離するスケルトン・インフィル住宅のメリットとは?

新築住宅でも中古住宅でも、耐震等級2または免震構造であることの適合証明書を取得することで、長期優良住宅として認められます。
住宅の耐震性については専門的な知識が必要ですから、住宅の専門家に相談してみるとよいでしょう。リガードには筋交い耐力壁を使った、耐震等級3の認定を受けた住宅の設計実績があります。住宅の耐震性能のことなら、セミオーダー住宅のプロ・リガードに気軽にご相談ください。

まとめ

住宅の耐震性能を実現する技術として、軸組工法の筋交いは古くから使われています。耐震性・免震性のある構造や、高い壁倍率を持つ耐力壁を適切に選んで、安心して暮らせる住まいづくりを実現しましょう。

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