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耐震性のイロハ – 偏心率で住宅のねじれにくさを表してみよう

地震に対する強さの尺度「偏心率」って?

地震に対する強さの尺度は色々とありますが、今回はそのうちの一つ、「偏心率」についてご紹介します。

地震が起きると、建物は小刻みに「ねじれ」ます。

そのねじれの結果として、部材の破断が起きる場合があります。

破断とは、地震などの大きな力が加わって、構造物が断ち切れてしまうことです。

大地震では、木造住宅の場合柱や筋交いが破断されてしまう被害が、RC造では、特に壁の少ないピロティ部分などが破断されてしまう被害が多くなっています。

このような被害は、古い建物だけでなく、新しい建物でも起こりえます。

ねじれと剛心の関係性

地震に強い家を作るためには、ねじれを抑えることが重要です。

では、ねじれを抑えるにはどのようにすれば良いのでしょうか?

手軽な実験をしていただきながら、説明をしていきますね。

物体の「ねじれ現象」を生み出す実験をやってみよう

まず、机の上に何かものを置いてみましょう。

ペットボトルでも、ティッシュ箱でも、何でも構いません。

ただし、ある程度大きなものを選んでください。

その選んだ物体を指一本だけ使って、まっすぐ前に押してみてください。

うまく押すことはできましたか?このとき、物体をまっすぐ押すことができたなら、指の延長線上に物体の「剛心」と呼ばれる点があります。

「剛心」というのは、水平方向からかかる力(この場合ですと、あなたの指が与えた力を指します)に対抗する中心点のようなものです。

では、先ほど押した指の位置から少しだけ横に(右か左に)ずらして、今度は強めにつついてみてください。

物体は前に移動しながら、くるくる回転しますよね。

実は、この回転現象が家の「ねじれ」のもととなっているんです。

建物における「剛心」と「重心」とは?

机の上のモノに「剛心」が存在したように、家にも同じように「剛心」が存在します。

家の場合は、先ほどあなたがペットボトルやティッシュ箱を押した指の力に相当するものが、「地震力」や「風圧力」になるというわけですね。

「地震力」や「風圧力」が家のどこにかかるのかというと、もちろん家全体にかかるのですが、それらを総合すると「重心」という一点にかかるとみなされます。

重心とは、建物を平面に見た時の中心にあたる場所です。

「重心」と「剛心」は、一般的に同じ場所にはありません。

そのため、先ほどのように「地震力」や「風圧力」によって力を加えられた家は、「回転する = ねじれてしまう」ということになります。

偏心による建物のねじれ

「偏心率」の求め方

家が机の上で実験したペットボトルやティッシュ箱のように、くるくると回転して(ねじれて)は大変ですよね。

そのような事態を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?

ねじれ(回転)を起こさないためには、上記の実験から「剛心にまっすぐ力がかかれば良い」のでしたね。

ですから、地震力・風圧力のかかるポイントである重心と、剛心を近づけることで、ねじれは起きづらくなるということが分かります。

剛心の位置を重心に近づけるための工夫の一つとして、耐力壁の配置があります。

耐力壁の配置のバランスが良いと、剛心の中心は自然と重心に近づいていきます。

・耐震等級、耐風等級の計算要素 耐震性に影響する「壁倍率」って?

構造計算を行う場合は、重心の位置や剛心の位置を正確に計算し、それに基づいた「偏心率」を算出します。

偏心とは、重心と剛心との間のズレのことを指し、その程度を表す数値が「偏心率」です。

つまり、偏心率は重心と剛心が近いほど値が小さくなり、値が小さいほど良いと考えることができます。

この「偏心率」が最終的な「ねじれにくさ」の指標となっております。

いくら耐震構造、耐震性の高い部材を採用した家を建てても、この「偏心率」の値が大きい場合は従来通りの耐震性能を得ることができません。

だから、きちんと構造計算されている家は、大地震が起きても「ねじれ」が起きにくい、部材が破断しにくい家になるわけですね。

まとめ

構造計算をしなくても良いとされている4号建築でも、きちんと構造計算をすることによって、より確かな耐震性能を得られるということがわかりました。

地震に強い、安心のできる家づくりなら、ぜひリガードへご相談ください。

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