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防火地域制限はどんな地域にかかる? 一戸建ては建てられるの?
防火地域と準防火地域はなぜ必要?
防火についてまちづくり視点で考えてみましょう。
狭い路地に燃えやすい建物が密集していたり、消火活動が難しい建物(高層ビルなど)の付近に燃えやすい建物があったりすると、延焼の危険が高まります。
そのような街は、安全な住みやすいまちとは言えませんよね。
行政は、火災が発生した場合に被害が拡大する恐れのある地域において、建築物の構造を制限する防火地域と準防火地域を指定することで、まちを火災から守っています。
具体的には、RC造や鉄筋造といった燃えにくい素材の建物しか建てられないような制限をかけたり、建築できる建物の階数を制限したりしています。
このような地域を防火地域、もしくは準防火地域と呼びますが、その制限は以下のように都市計画法に基づく用途地域制限に応じてかけられます。
なぜならば、商業地域や低層住居地域など、建物が密集しやすく延焼の危険がある地域は、用途によって決まってくるからです。
区分 | 対応する用途地域制限 |
---|---|
防火地域 | 商業地域 |
準防火地域 | 第一種低層住居専用地域(建ぺい率 / 容積率 = 50/100の地域) 第一種中高層住居専用地域 第一種住居地域(一部除く) 第二種住居地域 近隣商業地域 商業地域 準工業地域準防火地域 |
指定なし | 第一種低層住居専用地域(建ぺい率 / 容積率 = 50/100の地域を除く) |
用途地域制限についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
・建築面積と建ぺい率、容積率の関係 予定地の用途地域制限を調べておこう
防火地域に木造戸建て住宅は建てられる?
防火地域では、原則として耐火建築物しか建てることができません。
RC造や鉄筋造の戸建住宅は耐火建築物であるため、防火地域でも建てることができます。
特殊なケースを除き、木造住宅は耐火建築物ではありません。
それゆえ、防火地域に木造住宅は建てることができなかったのですが、平成5年に認定が始まった「準耐火建築物」とすることで、建てることができるようになりました。
上表のように、防火地域であっても、三つの条件を満たすことで木造住宅を建てることができます。
- 二階建て以下であること
- 延べ床面積が100m2以下(およそ30坪以下)であること
- 準耐火建築物であること
どのような住宅が準耐火建築物として認定されるか、詳細は下記記事をご覧ください。
・45分準耐火と1時間準耐火の違い 防火性能にどれぐらい差がつく?
防火地域よりも規制の緩い地域として「準防火地域」「法22条区域(屋根不燃地域)」というものがあります。
両地域に木造住宅を建てる時の要求をみてみましょう。
準防火地域では、延焼のおそれのある部分(外壁・軒裏)を防火仕様にすることが要求されます。
法22条区域では、延焼のおそれのある部分の外壁を防火仕様にすることを要求されます。
準耐火建築物とすることで、防火地域にも木造住宅を建てられる
準耐火建築物の認定により、これまで木造住宅を建てることができなかった防火地域にも、木造住宅を建てられるようになりました。
また、準耐火建築物は、従来の木造住宅に比べ火災保険料が減額されるというメリットも、施主様にとっては見逃せない大きなポイントと言えるでしょう。
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