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東京の地盤は強い?弱い? 土地選びの参考になる地盤の種類と分布
「東京防災」読んだ?地震と地盤の関係性
2015年9月、冊子「東京防災」の配布が話題になりました。
東京にお住いの方は、例外なく手に取られたかと思います。
東京防災をお持ちでない方は、東京都の公式HPからダウンロード可能です。
配付時に都内に住んでいなくて「東京防災」は持っていないけれど、都内にマイホームの購入を検討している方などは、一通り目を通しておくと良いでしょう。
地震の際に被害が大きくなりやすい地域の特性は、建物の種類、延焼の可能性の大小など様々ありますが、「地盤の強さ」も大きな要因の一つとなっています。
東京にマイホームを建てようと思っている方は、予定地がどのような地盤に分類されるのかを知っておく必要があります。
東京の地盤って強い?弱い?
東京の地盤は、山手エリア(山地・丘陵地)と、下町エリア(沖積低地)、そして山や大地を刻む谷に堆積した土でできている谷底低地に分類されます。
このうち、地震被害が特に拡大しやすいのは、沖積低地と谷底低地です。
どちらも山手エリアの山地・丘陵地に比べ軟弱な地盤となっています。
今でも「山手」と「下町」という言葉がありますが、これは山手が台地で標高が高く、下町は沖積低地で標高が低かったことから来ているのですね。
また、山手は高級住宅街、下町は庶民の住んでいるイメージが昔からありますが、それは江戸時代、地盤の強い山手には大名など、下町には職人や商人などが住んでいたことが由来です。
地盤が地震に強いかを表す「表層地盤増幅率」
地盤が地震に強いかどうかは、軟弱地盤の厚さが指標の一つとなります。
軟弱地盤については、下記記事をご参照ください。
軟弱地盤の層が厚いと起きる問題として、地震の揺れが増幅しやすく建物が倒壊しやすいという点があります。
地盤には、「表層地盤増幅率」という数値があります。
地震は、地上に到達するまでの間、地層によって増幅されます。
その最大振幅が震源の何倍になるかを表す数値が「表層地盤増幅率」です。
この数値が大きいほど、地盤が弱く地震による揺れが大きくなって地上に到着することになります。
基本的に、軟弱地盤が厚いほど増幅率が大きい傾向にあり、「表層地盤増幅率」が1.5を超えると要注意、2.0以上の場合は強い揺れへの対策が不可欠であるとされています。
表層地盤増幅率以外に確認すべき数値は?
また、「表層地盤増幅率」が低い場合でも、必ずしも地震に強いというわけではありません。
N値が20以下の比較的緩い地盤、特に砂地盤の場合や地下水位が浅い場合は、震度5以上の揺れで液状化する危険性があります。
特に沖積低地や埋め立て地において注意が必要です。
地盤改良には様々な工法があります。主な工法については以下の記事をご参照ください。
・地盤改良の具体的な方法 表層改良・柱状改良・鋼管杭工法どれを選ぶ?
このような地震対策の地盤改良とは別に、液状化対策に特化した地盤改良というものも存在します。
東京で地盤が弱い場所ってどこ?
東京都内で地震に弱い土地はどこに分布しているのでしょうか?
おさらいしておくと、地震被害が特に拡大しやすいのは、沖積低地と谷底低地です。
谷底低地は東東京・西東京問わず点在し、土地によっては軟弱地盤の厚みが8m以上あることもあります。
あまり知られていませんが、強固な地盤と思われている山手の台地にも、谷底低地が点在しているため、山手エリアだから地震に強いとは一概には言えません。
沖積低地は東東京に広く分布していて、10m以上の軟弱地盤が続いている地域も多いです。
詳しい地域分類と数値については、下記ページで確認することができます。
東京で地震に強い家を建てたい!
東京都都市整備局では、「地域危険度一覧表」を発表しています。
・東京都都市整備局 – 地震に関する地域危険度測定調査(第7回)
土地選びの参考にしてみることをオススメします。
また、弱い地盤の土地でも、程度によっては地盤改良で地震に強い家を建てることが可能になります。
土地を選ぶ場合は、地盤改良の費用と地価とを付き合わせて、トータルで考えるようにしましょう。
リガードの場合
リガードのお客様で、地盤改良が必要となる割合は、およそ20%程度です。
弊社は国分寺に所在していますので、武蔵野台地と言われる中央線沿線のエリアで家を建てられるお客様が多いです。
このエリアは基本的には地盤が強いと言われております。
しかし建築においてはピンポイントで建物を建てる、まさにその位置で地盤が強くなければ意味がありません。
古くからの住宅街など、元々の地形をいじることなく、家が以前から立ち並んでいるような地域では、地盤改良の確率は低くなります。
住宅地が出来た経緯に注目する
では、どのような土地ですと地盤改良の可能性が高くなるのでしょうか?
山の斜面や崖地、高低差のある場所に宅地を造成する場合、斜面を平らにして家を建てられる状態にします。
この際に、斜面を削って地面を平らにした場所を切り土と言います。
逆に、斜面に土を盛って土地を造成した場所を盛り土と言います。
一般的な造成工事では、切り土と盛り土両方を施している場合が多いです。
切り土の場合は、元の地盤の固さを維持していますが、盛り土の場合は元の地面よりも柔らかくなってしまいます。
どんなに締固めをしっかりと行っても、地盤がしっかりと安定するまでには数年かかってしまいます。
また、昔田んぼや畑だった場所や、川や池を埋め立てて住宅地にした場所も、地盤改良が必要になるケースが多いです。
井戸やお堀など、昔人工的に穴を掘っていた場所や、土を盛っていた部分も盛り土にあたるため、地盤改良が必要になります。
地形、地歴情報を確認しよう
このように、一般的に地盤が強いエリアと呼ばれる場所でもピンポイントで地盤が軟弱な場所は存在します。
地盤改良が必要になった場合、大体軽自動車1台分程度の地盤改良費用がかかってきます。
それにより家にかける費用を削らなくてはならないかもしれません。
そのため、土地を選ぶ際には、地形、地歴情報がとても大事になるのです。
参考記事
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