家づくりの前に知っておきたい「2次相続」とは

家は、そこに住む家族にとって心から安らげる大切な居場所です。と同時に、次の世代に引き継いでいける大きな財産でもあります。

資産として考えた場合、いずれは相続も考えなければいけません。その時に問題となるのが相続税です。家の資産価値が高ければ高いほど、相続税の負担は大きくなります。

ご家族が亡くなった時、相続税について冷静に節税を考えられる方がどれほどいらっしゃるでしょうか。そのためにも今から、税金の知識を持っておくことが大切だといえます。

例えばお父様が亡くなって、お母様とお子様が家を相続したとしましょう。その後、不幸にもお母様も亡くなってしまった場合、お子様が相続人となって2回目の相続をすることになります。これを「2次相続」といいます。

お子様は、お父様が亡くなられた時の「1次相続」と、お母様の死去による「2次相続」で、相続税を2回支払わなければいけません。節税のためには、1次相続の段階から、将来的に発生する2次相続を考えておく必要があります。

大切な家族の拠り所である家を引き継ぐのに、なぜ相続税を何回も払わなければいけないのかと思う方もいらっしゃるでしょう。だからこそ予め知識を持って、相続税対策をしておくことが重要なのです。

相続税の基本的な計算方法

ここで改めて、相続税の基本的なしくみを振り返ってみましょう。過去記事でも相続税の計算について触れているので、そちらもご参照ください。

〈過去記事へのリンク〉
「遺産分割協議」を乗り越え、円満な相続に至るためには? – 東京都の注文住宅ならリガードへ
突然の相続の際に知りたい、家の解体費用と手続きのこと。 – 東京都の注文住宅ならリガードへ
相続税の計算では、まず遺産の総額から基礎控除額を差し引きます。基礎控除額は3000万円にプラスして、法定相続人1人につき600万円が認められています。

3000万円 + (法定相続人の数 × 600万円) = 基礎控除額

相続税がかかるのは、遺産の総額から基礎控除額を差し引いた部分に対してです。例えばお父様の遺産総額が1億5000万円で、法定相続人がお母様と2人のお子様だった場合、課税される遺産は1億200万円となります。

3000万円 + (法定相続人3人 × 600万円) = 基礎控除額4800万円
遺産総額1億5000万円 - 基礎控除額4800万円 = 課税遺産額1億200万円

支払わなければならない相続税の金額は、課税遺産額を法律の規定に従って分けたと仮定して計算します。法律では配偶者が1/2、子供は残り1/2を均等に分けることとなっています。この場合は、お母様が5100万円、お子様2人が2550万円ずつとなります。

相続税は累進課税なので、相続額によって税率が変わってきます。1000万円以下なら10%、1001~3000万円なら15%、3001~5000万円なら20%、5001万~1億円なら30%です。その税率で計算すると、以下のようになります。

お母様:5100万円 × 30% = 1530万円
お子様A:2550万円 × 15% = 382万5000円
お子様B:2550万円 × 15% = 382万5000円

さらにここから、相続税の控除額を差し引いた金額が、実際に支払う相続税となります。控除額も、相続額が1001~3000万円なら50万円、3001~5000万円なら200万円、5001万~1億円なら700万円といったように、金額によって変わってきます。この例だと、以下のようになります。

お母様:1530万円 - 控除額700万円 = 相続税額880万円
お子様A:382万5000円 - 控除額50万円 = 相続税額332万5000円
お子様B:382万5000円 - 控除額50万円 = 相続税額332万5000円

相続する金額によって税率と控除額がどのように変わってくるかは、以下の速算表をご参照ください。

この例では、支払わなければならない相続税の合計は、全部を足して1545万円となります。

お母様の税額880万円 + お子様Aの税額332万5000円 + お子様Bの税額332万5000円 = 1545万円

実際には法律通りではなく、お母様おひとりが全額相続したり、お母様は相続せずお子様2人で遺産を分け合ったりということもあります。その場合、支払うべき相続税額1545万円を、実際に相続した遺産の割合で負担することになっています。

配偶者に対する税額の軽減

じつは相続税には、配偶者に対する優遇制度があります。法律の規定に従って相続した法定相続分については全額、それを超えたとしても最大相続額1億6000万円までは、相続税が免除になるのです。

上の例で見ると、法律通りに相続した場合、総額1545万円の相続税を支払う必要がありました。しかし実際には、お母様の相続税880万円が免除になるため、お子様がそれぞれ332万5000円、総額665万円を支払うだけで済むのです。

配偶者への税額軽減を最大限に利用すれば、さらに節税が可能です。上の例では遺産総額が1億5000万円のため、全額をお母様が相続しても軽減の範囲に収まるので、相続税をまったく支払う必要がなくなるのです。

ただし、税額の軽減を受けるには、たとえ税額が0円であっても、相続税の申告が必要です。

1次相続と2次相続での相続税の違い

相続税の基本的な仕組みを知っていると、1次相続と2次相続では相続税額に違いが出てくることがお分かりいただけるでしょう。

お父様が亡くなられた場合の法定相続人は、お母様と2人のお子様の合計3人でした。しかし、続いてお母様が亡くなられて2次相続が発生したとなると、今度はお子様2人で相続しなければなりません。

法定相続人が1人減るのですから、相続税の基礎控除の額も600万円少なくなります。つまり600万円分、相続税を多く支払わなければいけないのです。

さらに1次相続の時、節税のために全額をお母様が相続していたとしましょう。2次相続ではお母様の財産をお子様2人で相続することになりますが、今度は配偶者への税額軽減が使えません。

場合によって、どのくらい相続税が違ってくるのでしょうか。上にも登場した、お父様の遺産が1億5000万円、法定相続人はお母様とお子様2人というご家庭をモデルにシミュレーションしてみましょう。

ケース1:1次相続で法律通りに相続した場合

お父様の遺産を法律通りに、お母様が1/2の7500万円、お子様がそれぞれ1/4の3750万円ずつ相続したとします。その場合、実際に支払う相続税は総額665万円になるという計算でした。

その後、お母様が亡くなられて2次相続が発生します。お母様の財産は、お父様から相続した7500万円のみの場合、2人のお子様がそれぞれ支払う相続税は197万5000円、合計で395万円となります。

3000万円 + (法定相続人2人 × 600万円) = 基礎控除額4200万円
遺産総額7500万円 - 基礎控除額4200万円 = 課税遺産額3300万円
(お子様1人あたりの課税相続額1650万円 × 相続税率15%) - 控除額50万円 = 相続税額197万5000円

一次相続での665万円、二次相続での395万円を合わせて、2回の相続で合計1060万円の相続税を支払うことになります。

ケース2:一次相続でお母様が全額相続した場合

1次相続では、お母様が遺産1億5000万円全額を相続したとします。配偶者に対する税額の軽減を利用して、相続税は0円でした。

その後、お母様が亡くなられて2次相続が発生します。お母様の財産はお父様から相続した1億5000万円のみとすると、2人のお子様がそれぞれ支払う相続税は920万円、合計で1840万円となります。

3000万円 + (法定相続人2人 × 600万円) = 基礎控除額4200万円
遺産総額1億5000万円 - 基礎控除額4200万円 = 課税遺産額1億800万円
(お子様1人あたりの課税相続額5400万円 × 相続税率30%) - 控除額700万円 = 相続税額920万円

1次相続を法律通りに行った場合、2回の相続で発生した相続税は合計1060万円でした。それと比べると、相続税額の合計が780万円も多くなっています。

1次相続の時に節税したつもりで、2次相続のことを考えていなかったため、結果的に損をすることになってしまいました。

2次相続の節税対策

多くの人にとって相続税の負担は、決して小さくありません。ご両親を相次いで亡くされた場合などは、さらに悲しみが増すことにも繋がってしまいます。

そういったケースを想定して、法律でも相続人に対する配慮がなされています。それが「相次相続控除」です。

1次相続と2次相続の間が10年以内の場合には、2次相続の相続税から一定の金額を控除いるという制度です。控除額の計算は少し複雑なので、1次相続と2次相続の間が短いほど、控除額も大きくなると覚えておきましょう。

例えば、お祖父様が亡くなってお父様が財産を相続したものの、1年以内にお父様も亡くなってしまったとします。お父様の遺産がお祖父様から相続したもののみだった場合には、相続税は一切かかりません。

2次相続の節税対策としては、「小規模宅地等の特例」を利用するのもひとつの手段です。小規模宅地等の特例については過去記事で詳しく紹介しているので、そちらをご参照ください。

〈過去記事へのリンク〉
「小規模宅地等の特例」適用のメリット 二世帯住宅は名義ひとつで生涯費用が変わる? – 東京都の注文住宅ならリガードへ

例えば、自宅の敷地の相続税評価額が1億円だったとします。そこに小規模宅地等の特例を適用すると、土地の評価額を2000万円として相続税の計算をすることになります。

つまり、遺産の総額を少なく見積もることができるのです。遺産の総額が少なくなれば、当然、相続税も安くなります。

お父様が亡くなった場合、お母様は「配偶者の税額軽減」のため相続税がかからないことがほとんどです。そのため小規模宅地等の特例を使っても意味がありません。

しかしお子様が自宅を相続するなら、小規模宅地等の特例で相続税が軽減されます。1次相続で遺産の総額を少なく見積もれるのですから、当然、2次相続が起こった時の相続税も安くなります。

相続のことで迷った時には

家は家族にとって、拠り所となる大切な資産です。その家を守っていくためには、1次相続の時から、将来起こるであろう2次相続について考えておかなければならないことはお分かりいただけたかと思います。

悲しいことですが、どんな人でもいつかは亡くなります。その時に慌てないためにも、予め相続についての知識をもっておきたいものです。

ハウスメーカーであるリガードでは、大切な家を守っていくための「相続勉強会」を開催しております。相続についてお悩みの方はもちろん、いざという時に備えたいという方も、ぜひお気軽にお越しください。お待ちしています。

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