マイホームの屋根の色が事前に決められている!? 建築協定で用途や意匠が規定される理由

建築協定っていったい何のこと?

建築協定とは、国土全体を対象とする建築基準法だけでは対処しきれないような、ローカルな要求を法的に保護し、その地域に応じた街づくりを推進するための協定です。
建築協定を締結するためには、土地所有者や借地権者など全員合意に基づき、特定行政庁の認可を受けることが必要です。
こうして読んだだけでは「自分には関係ない話かな」と感じられるかもしれませんが、マイホームを建てる方には他人事ではないんですよ。例えばこんなケースが考えられます。

・ マイホームの建設予定地が建築協定の対象地域で、「屋根の色は黒」という事が予め決められていた
・ 用途地域制限の絶対高さ制限や容積率の制限を確認し、「3階建ての住宅が建てられる」と判断して土地を買ったのに、建築協定で3階建てが禁じられていた

どうでしょう、どちらも深刻なトラブルですよね。
マイホーム施工前の建築確認申請では、建築協定に反した建物ではないかがチェックされます。全国の有効建築協定数は2800以上、東京都内だけでも130以上に及んでいますから、かなり多くの市区町村で建築協定が定められています。

建築協定にはどんな基準があるの?

建築協定の内容には、その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠、建築設備に関する基準があります。

「敷地」の基準として、敷地の最低面積を定めることなどがあります。
「位置」の基準として、外壁から隣地境界線までの距離や、外壁後退を定めることがあります。
「構造」の基準として、耐火構造を要求することなどがあります。
「用途」の基準として、マンション等の特定用途を禁止したり、一戸建て住宅等の特定用途のみに使える土地として制限を加えることがあります。
「形態」の基準として、建ぺい率、容積率についての基準値を設定できます。
「意匠」の基準として、屋根や外壁の色など、街並みとの調和を目的とする制限が設けられることがあります。

建築協定のことなら専門家に相談しよう

建築協定は当然ながら、建築基準法の規定に違反したり、土地や建築物の利用を不当に制限するものであってはなりません。
厄介なものに感じるかもしれませんが、建築協定は自由を削ぐことが目的ではなく、魅力的な街並みの確保が目的となっています。
だからこそ、協定に参加する方の全員合意が前提となっているのです。

まとめ

建築協定によってマイホームの屋根の色が事前に決められていたり、特定の構造が禁止されていることがあります。
建築協定の定める用途や意匠の規定について理解して、理想の家づくりを実現しましょう。