賢い家づくりブログ
猫2匹と暮らす建築家が綴る|猫の本能と家族の美意識を充たす暮らし

リガードの設計哲学|東京・千葉の注文住宅
「猫と暮らす家」を設計するうえで、私たちが最も大切にしていること。それは、猫さまを「かわいい同居人」ではなく「家族の主役のひとり」として住まいに迎え入れる、という姿勢です。
こちらは、実際に2匹の猫と暮らすリガードの建築家のインタビュー内容を元にした記事です。日々の暮らしの中で気づいた「猫さんの本能に応える設計」と、家族の暮らしを美しく整える「人の美意識」――その両方を充たす家づくりについて、プロの視点でお話しさせてください。
猫さんにとって、家は「一生を過ごす世界のすべて」です。散歩には出ません。休日の外出もありません。だからこそ、家づくりに妥協は許されない――。私たちリガードは、そう考えています。

家づくりは、猫さまを「家族の主役」に迎えることから
ペット共生住宅というと、「人間の家に、ペット向けの機能をつけ足す」という発想になりがちです。けれども、猫さんと本当に心地よく暮らしたいなら、その発想を反転させる必要があります。
猫さんの本能(高いところに登りたい・狭いところにこもりたい・獲物を狙いたい)と、家族の美意識(統一感のあるインテリア・洗練された空間・毎日を気持ちよく過ごしたい)は、決して対立するものではありません。むしろ、設計次第で見事に融合させることができます。
「後付けのペットグッズだらけの家」ではなく、猫さんの居場所そのものが、住まいの美しさの一部になっている家。それが、リガードが目指す「猫と暮らす家」の姿です。
猫さんの「食べる・飲む」を健やかにデザインする
食事スペースは、トイレから離して「聖域化」する
猫さんは本来、食事とトイレの場所を分けたい生き物です。近すぎると、食事量が落ちたり、トイレを我慢したりしてしまうこともあります。
設計段階で、食事用の専用スペースや小さな造作カウンターを用意し、静かで落ち着ける場所に配置する。トイレは通気の良い、視線が抜けすぎない一角に。「食べる場所」と「排泄する場所」を明確に分けることが、猫さんの健康と精神的な安定につながります。
水飲み場は複数に分散する「回遊水飲み動線」
猫さんの下部尿路疾患は、飲水量の少なさが一因と言われます。だからこそ、家の中の複数箇所に水飲み場を配置する「回遊水飲み動線」を設計に組み込みます。
キッチンの足元、リビングの壁面ニッチ、寝室の入り口――猫さんが日常的に通る動線上に、さりげなく水場を仕込む。水を「わざわざ飲みに行く」ものではなく、「通りがかりに口をつけるもの」に変えることで、自然と飲水量が増えていきます。
自動給餌器・給水器のインフラを先行計画
後付けのペット家電がコンセントに繋がってコードが露出――そんな残念な光景を防ぐには、設計段階での電源とインフラの先行計画が不可欠です。
自動給餌器の電源位置、給水器の水栓ルート、ペットカメラの取り付け位置。これらを図面段階で決めておけば、美しい壁面が実現します。

「遊ぶ・寝る」が、日常の風景を美しくする
立体動線|家そのものが「アスレチック」になる
猫さんは、平面ではなく「立体」で家を認識する生き物です。人間の視線は水平に流れますが、猫さんの視線は上へ・下へと自在に動きます。
階段の側板、リビングの梁、吹き抜けまわりの壁――これらを設計段階からキャットステップ・キャットウォークとして計画しておけば、家そのものが上下運動を促す立体的なアスレチックに変わります。運動量が増えれば健康にも良く、家族は日常的に猫さんの伸びやかな姿を眺められる。猫さんの遊びが、家族のインテリアの一部になる設計です。
窓辺の特等席|外の刺激を楽しむ「展望デッキ」
猫さんがずっと飽きずに眺めていられる場所――それは「窓辺」です。鳥、揺れる葉、風、光の変化。外の刺激を楽しめる特等席をつくることは、室内飼いの猫さんにとって最高の贈り物です。
窓辺に奥行きのある造作ベンチを設ければ、そこは猫さんの「展望デッキ」であり、同時に人が座って読書を楽しむ場所にもなります。ひとつの空間が猫さんと人の両方の居場所になる――これも、リガードが得意とする「ひとつをマルチに」の発想です。
「選べる」休息場所を、家中に散りばめる
猫さんは、気分や時間帯で居場所を変える生き物です。だからこそ、選択肢を豊富に用意することが大切です。
- 寝室のネコドア――ご主人の眠りを妨げず、猫さまは自由に出入り
- こもれる隠れ家――家具の隙間や造作の穴で「安心できる暗がり」を確保
- 家族の気配を感じるリビングの隅――甘えたいときの定位置
「今日はどこで寝ようかな」と選ぶ楽しみを、猫さんにも用意する。それが暮らしの豊かさにつながります。

爪とぎ・キッチン対策|個性を尊重する「愛のガード」
性格別・好み別に、爪とぎをカスタマイズする
爪とぎは、猫さんにとって「やめさせる」ものではなく、「気持ちよくできる場所」を用意してあげるもの。ここも設計で解決できます。
縦にとぐのが好きな子には壁面の造作爪とぎ、横にとぐのが好きな子には床置きタイプ。マンチカンのような短足種やシニア猫さまには、無理のない段差設計。子(こ)ごとの性格と身体能力に合わせて造作することで、家具や壁紙を守りながら、猫さんが伸び伸び暮らせる家になります。
キッチン侵入対策を、デザインで解決する
キッチンは、猫さんにとって危険が多い場所です。誤食、火傷、包丁――だからといって、無骨なペットゲートを設置するのは、家の美しさを損ないます。
リガードでは、デザインを損なわない造作ゲートやガラス仕切りで、視線は抜きつつ物理的に猫さんの侵入を防ぐ設計をご提案します。安全とデザインは、両立できます。
「収納」と「防災」――安心を支える裏方の設計
重くてかさばる猫用品の居場所を、あらかじめ確保する
猫砂、フード、トイレシート――猫さんと暮らす家は、想像以上に「重くてかさばる備品」が多いものです。玄関からの搬入動線上にペット用ストックのパントリーを計画しておけば、日々の運搬が楽になり、床置きの荷物で美観を損なうこともありません。
「もしも」のための防災設計
地震や火災など、緊急時に猫さんを守るための設計配慮も忘れてはいけません。
- 避難時に捕まえられない高所を作らない――キャットウォークにも「降りやすさ」を組み込む
- キャリーケースを日常の風景に馴染ませる――造作収納の一部として組み込み、緊急時の警戒感を減らす
- 普段からキャリーが「安心できる場所」であるように――日常的に開放して馴染ませておく
「もしも」の視点を家づくりに組み込むこと。それが、猫さんと家族の長い暮らしを守ります。

リガードが考える「猫と暮らす家」の設計思想
私たちリガードは、東京・千葉・埼玉・神奈川エリアで建築家とともに注文住宅をつくる工務店です。「猫と暮らす家」の設計にあたっても、リガードが大切にしている3つの設計思想がそのまま活きています。
- ひとつをマルチに――窓辺は猫さんの展望デッキであり、人の読書スペースでもある
- ゆるやかにつなぐ――ネコドアや吹き抜けで、家中に気配が循環する
- 開くと閉じる――キッチンは閉じ、リビング上部のキャットウォークは開く
3つの思想を、猫さんと家族のライフスタイルに合わせて編集する。それが、リガードの「猫と暮らす家」の設計プロセスです。
よくあるご質問
Q. 猫と暮らす家を建てるとき、間取りで最も重視すべきポイントは何ですか?
もっとも重要なのは「立体動線」と「食事・トイレの設計」です。猫さんは平面ではなく立体で家を認識するため、キャットステップ・キャットウォーク・吹き抜けなどの上下運動の機会を設計段階から組み込むことが大切です。加えて、食事場所とトイレを離すこと、水飲み場を家中に分散させることが、猫さんの健康を大きく左右します。
Q. キャットステップは後付けできますか?設計段階で組み込むメリットは?
後付けも可能ですが、設計段階で組み込むメリットは大きく3つあります。1つ目は下地を仕込めるため耐荷重を確保できること。2つ目は間接照明・造作家具と一体化した美しい仕上がりになること。3つ目は猫さんの動線を設計全体と連動させられること。結果として「後付けグッズ」ではなく「住まいの一部」として自然に馴染みます。
Q. 保護猫・シニア猫・マンチカンなどの短足種にも配慮できますか?
可能です。リガードでは猫さんの性格・年齢・身体能力を丁寧にヒアリングしたうえで、段差の高さ、キャットステップの間隔、爪とぎの向きなどをカスタマイズします。マンチカンのような短足種には無理のない段差を、シニア猫さまにはスロープや低めの休息場所を、保護猫さまには隠れられる暗がりを――子(こ)ごとの個性を尊重した設計をご提案します。
Q. ペット可の賃貸との違いは何ですか?
ペット可の賃貸は「飼育を許可されている」だけで、猫さんの本能や健康に配慮した設計にはなっていません。注文住宅であれば、立体動線・水場の分散・食事とトイレの設計・爪とぎ対策・防災配慮まで、すべてを設計段階から組み込めます。猫さんが「一生を過ごす世界」だからこそ、最初から最適化された住まいをつくる価値があります。
Q. 「猫と暮らす家 特集資料」ではどんな内容が届きますか?
リガードの実際の施工事例、間取り図、造作ディテール、猫さんと暮らすオーナーさまのインタビューなど、この記事だけでは伝えきれない具体的な設計事例をまとめた資料をお届けいたします。無料でお申し込みいただけますので、家づくりの参考として、お気軽にご請求ください。
まとめ:人の家ではなく、「家族みんなの家」へ
猫さんの癖や性格は、その家族だけの個性です。「うちの子」の好きな場所、好きな高さ、好きな時間の過ごし方――それらは、他のどのお家とも違います。
だからこそ、リガードは規格化されたペット共生住宅ではなく、その家族だけの「オーダーメイドの共生設計」をご提案します。猫さんと人が、お互いにストレスなく、愛おしい時間を重ねられる住まい。それが、猫と暮らす家の理想形だと私たちは考えています。
「猫との暮らしを、もっと丁寧に設計したい」――そう思われた方に、リガードが編集した特集資料「猫と暮らす家」を無料でご用意しています。実際の施工事例や、この記事では書ききれなかった具体的なディテールまで、じっくり読み込んでいただける一冊です。
