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家の性能

地震大国・日本で暮らしを守る強い家づくり

はじめに

日本に暮らしていると、「地震」は避けられない前提です。南海トラフ巨大地震や首都直下地震の発生が懸念される今、家づくりを考える人の多くが「耐震性能」に強い関心を持つようになりました。命を守り、暮らしを守るためには、どのような備えが必要なのか――ここでは“強い家づくり”の基本を整理してみましょう。

まず確認すべきは「耐震等級」

最初に確認すべきは、建物がどの耐震等級を取得しているかです。耐震等級には1から3までの段階があり、基準法で定められている最低ラインは等級1です。これは「50年に一度程度の地震に耐え、命を守る」ことを前提にした基準です。等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の強度を求められます。等級1だからといって危険ということではなく、国が定める基準を満たしている以上、命が脅かされることはありません。しかし、現実には東日本大震災や熊本地震、能登半島地震のように“50年に一度”どころではない頻度で大地震が起きています。だからこそ「安心して暮らすためには等級3を前提に考える」という流れが広がっています。

同じ等級3でも違う「計算の中身」

ただし、同じ「等級3」でも計算方法の違いによって安心度は変わります。よく使われる「壁量計算」は、建物に必要な壁の量や配置を満たしているかどうかを確認するもの。いわば“必要最低限のチェック”です。一方で、「許容力度計算」は柱や梁、屋根、床といった建物の骨格全体を対象に力学的な検証を行います。一本一本の柱にどんな力がかかり、どのように変形するのかまで計算するため、構造の精度が大きく高まります。どちらも「等級3」を取得できますが、設計の解像度という点では大きな差があるのです。

耐震シミュレーションがもたらす“リアルな安心”

許容力度計算が答えてくれるのは「壊れるか、壊れないか」という二択です。しかし実際の地震はもっと複雑です。長く揺れ続ける場合もあれば、瞬間的に大きな力がかかる場合もあります。その違いを見逃さないために用いられるのが「時刻歴応答解析」と呼ばれる解析方法です。実際に阪神淡路大震災や東日本大震災のときに観測された地震波を建物に当てはめ、時間ごとに揺れ方や負担のかかり方を解析する。すると「どの柱に力が集中するのか」「余震のときにどんな動きをするのか」が見えてきます。数字だけではなく、“揺れのシナリオ”を想定できることが、住まい手の安心にもつながります。なお、リガードでは木造住宅を専門としているので、時刻歴応答解析をベースにした、京都大学准教授中川貴文氏が開発した木造住宅倒壊解析ソフト『wallstat(ウォールスタット)』による耐震シミュレーションにて一棟一棟耐震性の評価検証を実施しています。

耐震・制震・免震―三つの考え方

地震への備え方には大きく三つの考え方があります。
耐震:建物そのものを強く、硬くして耐える
制震:揺れのエネルギーを吸収し、揺れそのものを小さくする
免震:地面の揺れを建物に直接伝えないようにする
木造住宅では免震の採用は難しいことが多く、現実的なのは「耐震+制震」の組み合わせです。建物を硬くするだけでは、かえって損傷が大きくなる可能性があります。そこで揺れを“抑える”発想を取り入れることで、被害を抑え、修繕や復旧も容易になります。

制震の新しいかたち―「制震テープ」

制震といえば金物タイプのダンパーを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし点的に設置するため、補強できる範囲が限られ、コストも大きくなりがちです。そこで注目されているのが「制震テープ」です。これは高層ビルの制震技術から発展したもので、耐力壁に粘弾性体を貼り込むことで建物全体を“面”で包むように揺れを抑えます。施工のばらつきが少なく、コストも比較的抑えやすいため、木造住宅に適した制震方法として広がっています。硬さで受け止めるだけでなく、粘りでエネルギーを逃がす。そんな二重の守りが「数字以上の安心」をつくります。

強い家づくりに必要なプロセス

強い家は一つの技術で実現するものではありません。

  • 耐震等級3を前提に計画する
  • 許容力度計算で骨格全体を検証する
  • 耐震シミュレーションで実際の地震波に備える
  • 制震を取り入れ、揺れそのものを小さくする

これらを重ね合わせていくことで、地震大国・日本で暮らしを支える強さが生まれます。

日常を守るための強さ

強い家づくりの本当の目的は、「数字をクリアすること」ではありません。寒い朝に素足で歩けること、地震の夜に安心して灯りをともせること、子どもがいつもの場所で宿題をできること。そんな当たり前の日常を途切れさせないために、設計者は数字の裏にある“暮らしの連続性”を見据えています。強い家とは、壊れない家以上のものを想定した「暮らしを守る器」なのです。

首都圏の震度7に耐えるリガードの木造建築特集

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