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住むコトブログHOUSE BLOG
リガードの基礎工事 vol.9
~屋根工事~
続きはコチラ
リガードの基礎工事 vol.1 ~前編~
リガードの基礎工事 vol.2 後編①~配筋~
リガードの基礎工事 vol.3 ~鉄筋~
リガードの基礎工事 後編② vol.4 ~配筋後~
リガードの基礎工事 vol.5~土台敷き~
リガードの基礎工事 vol.6~上棟~
リガードの基礎工事 vol.7~土台パッキン~
リガードの基礎工事 vol.8~制震テープ(床下について)~
上棟後、屋根工事の工程に進みます。
こちらのページでは、屋根工事の流れや、リガードで行っているチェックポイントをご紹介いたします。
1. 屋根工事の流れ
屋根工事は、建物の基礎工事が終わり、上棟(建物の骨組みが完成)した後に始まります。
以下は、屋根工事の基本的な流れです。
(1) 屋根下地作業
屋根工事の最初の工程は屋根下地の作業です。この段階では、小屋束(こやつか)、母屋(もや)、棟木(むなぎ)といった屋根の主要構造を組み立てます。
母屋 : 屋根を支える水平な梁であり、建物の骨組みを形成します。
棟木 : 屋根の一番上に位置する部材で、屋根の両側を支える役割を果たします。
小屋束⇒母屋⇒棟木と組みあがった後(上棟後)、垂木(たるき)を組み立て、野地板を貼っていきます。
これらが組みあがると、次に垂木を取り付けます。垂木は屋根の勾配に沿って配置され、屋根全体の骨組みを支える重要な部材です。
(2) 野地板の施工
次に、野地板と呼ばれる合板を垂木の上に貼っていきます。この野地板は、屋根材を支える基盤となり、全体の屋根構造を強固にします。使用される野地板は耐久性に優れたものが使用されることが多いです。
(3) ルーフィングシートの施工
野地板が取り付けられると、その上にルーフィングシートと呼ばれる防水シートを敷いていきます。ルーフィングシートは屋根材の下で水の侵入を防ぐために非常に重要な役割を果たします。
(4) 屋根材の取り付け
ルーフィングシートの施工が完了した後、屋根材を取り付けます。屋根材にはさまざまな種類がありますが、リガードでは、主に金属板(ガルバリウム鋼板)を選ばれる方が多いです。
屋根材の選定は建物のデザインや耐久性、予算に応じて決まります。
金属板(ガルバリウム鋼板)は、軽量で耐久性が高く、デザイン性も高いです。また、屋根全体に均等に荷重をかけることができるため、地震時にも強い特徴があります。
屋根材は、ルーフィングシートの上に配置され、釘やビスで固定します。この工程で、屋根全体が完成します。
2. 屋根工事におけるポイント
(1) 母屋の加工と耐震性
外観上は見えない部分ですが、母屋の加工は屋根の耐震性能を左右する重要なポイントです。母屋には、垂木がくる部分に台形の加工(垂木欠き)が施されており、この加工が地震時のずれを防ぎます。加工されていない母屋に比べて、加工済みの母屋は耐震性能が向上し、屋根全体の構造が安定します。
(2) 耐震等級3と水平構面の重要性
屋根は単に建物を覆うだけでなく、水平構面を形成する重要な役割を果たします。水平構面とは、地震や風の力を各耐力壁に分散させるための水平面のことです。屋根がしっかりと水平構面を形成することで、建物全体の耐震性が向上し、地震時の変形が抑えられます。
(3) 勾配に応じたルーフィングシートの選定
ルーフィングシートは、屋根の勾配に応じて適切な種類を選定する必要があります。勾配によっては雨水が流れにくく、浸水のリスクが高まるためです。
リガードでは、勾配によってルーフィングの種類が異なります。
3寸勾配以下の場合: 勾配が緩やかな場合には、雨水が流れにくくなるため、貼り直しが可能な遅延粘着型下葺材を使用します。これは施工中にシートの位置を調整でき、数時間後には強固な粘着力と防水効果を発揮するため、雨水が浸透するリスクを低減できます。
3寸勾配以上の場合: 汎用タイプの改質アスファルトルーフィングを使用します。こちらは一般的な住宅で使用されることが多く、タッカーでしっかりと固定されるため、防水効果が高いです。
3. 屋根工事のチェックポイント
屋根工事では、施工の精度が非常に重要です。以下のチェックポイントを押さえることで、トラブルの発生を未然に防ぎ、屋根の防水性能を確保することができます。
(1) ルーフィングシートの施工チェック
順序良く張られているか : ルーフィングシートは、水下から水上へ向かって順序良く施工する必要があります。これにより、雨水が流れ落ちる際にシートの間に水が侵入するのを防ぎます。
しわやたるみがないか : シートにしわやたるみがあると、そこから水が浸入するリスクがあります。シートが均等に張られていることを確認します。
重なり部分の確認 : シートは規定された寸法で重ねて施工される必要があります。特に、谷部や棟部は水の侵入が起こりやすいため、補強が施されているかを確認します。
タッカーの間隔 : シートを固定するタッカー(留め具)の間隔が適切であることを確認します。間隔が広すぎるとシートが風などで浮き、隙間ができてしまう可能性があります。
資料:日本住宅保証検査機構(JIO)
(2) 下屋のルーフィングチェック
下屋は、最上階以外に取り付けられる屋根部分を指します。下屋は、最上階の屋根(大屋根)よりも雨水が滞留しやすく、特に防水施工が重要です。
下屋の立ち上がり部分: 下屋の立ち上がり部分が250mm以上確保されているかを確認します。これにより、雨水が侵入するリスクが低減されます。
4. 屋根と下屋の違い
屋根とは、建物の最上階部分を覆う大きな屋根を指します。一方、下屋は、建物の1階や2階など、最上階以外の屋根部分を意味します。下屋は、大屋根から流れ落ちる雨水が集まりやすいため、防水対策が重要です。屋根と下屋で使用される材料や施工方法は同じ場合が多いですが、勾配や水の流れ方によっては、異なるルーフィングや補強が必要です。
5. まとめ
屋根工事は、建物の安全性と快適性を支える非常に重要な工程です。施工方法や使用される材料、工事の順序を正しく理解し、適切なチェックを行うことで、長期間にわたって耐久性のある屋根が完成します。また、地震や風雨に強い構造を作るためには、耐震設計や水平構面の確保が必要です。
屋根工事の品質が住宅の寿命に大きく影響するため、信頼できる施工業者に依頼し、細部まで丁寧な施工が行われるようにしましょう。これにより、快適で安心して暮らせる住宅を実現することができます。
屋根部分の断熱、換気についてや、ルーフィング(防水紙)などの検査項目(防水検査)についても今後アップ予定ですので、
ぜひご覧くださいませ。
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