家のお金は、大きく「3つ」に分かれる

家づくりにかかるお金は、ひとつの大きなかたまりではありません。性質のちがう3つの財布に分かれている、とイメージするとわかりやすいです。それが、土地代・建物・諸費用です。

家づくりにかかるお金の、ぜんたい像
  • ① 土地代 / すでに土地がある方は不要

    土地を買う費用。地域や広さで大きく変わり、ここがあるかないかで総額は大きく動きます。仲介手数料などもここに関わります。

  • ② 建物 / 本体工事費+付帯工事費

    家そのものをつくる費用。「建物3,000万円」のように語られるのは、おもに本体工事費。じつはここに、地盤改良や外構などの付帯工事費が別で乗ります。

  • ③ 諸費用 / 税金・手数料・保険など

    家と土地そのもの以外にかかるお金。登記費用、住宅ローンの手数料、税金、火災保険など。多くが現金で必要になるのが特徴です。

※ 帯の割合は、土地から買う場合の一般的なイメージです。土地の有無や状態、プランによって大きく変わります。

では、実際にいくらくらいなのか。公的なデータで首都圏の平均を見てみましょう。住宅金融支援機構の調査によると、首都圏で土地から買って注文住宅を建てた人の総額は、平均でおよそ5,800万円でした。その内訳は、建物の建設費が約3,500万円、土地の取得費が約2,300万円。土地をすでに持っている場合(建物だけ)の平均は、約4,300万円です。

数字はあくまで「平均」

これは首都圏の平均で、23区か郊外か、土地の広さ、家の大きさや仕様で大きく変わります。とくに首都圏は、ほかの地域にくらべて土地代の比重が大きいのが特徴です。大切なのは平均額そのものより、「土地・建物・諸費用の3つを合わせて考える」という見方。次の章から、この見方を具体的にしていきます。

「建物3,000万円」が、財布から出るときには

家づくりでいちばん起こりやすい誤解。それは、「建物の本体価格」を「家にかかる総額」だと思ってしまうことです。この2つは、けっこうな差があります。

たとえば「本体価格3,000万円」と聞くと、3,000万円あれば家が建つように感じます。でも実際には、ここに付帯工事費(地盤改良・屋外の給排水・外構など)と諸費用(登記・ローン手数料・税金・保険など)が乗ってきます。さらに土地から買うなら、土地代も加わります。

「本体価格」から「総額」までのイメージ

本体価格 3,000万円 に、付帯工事や諸費用が加わると、建物まわりだけでも 3,600万〜4,100万円ほどになることがあります(一般的な割合から単純計算した例)。そこに土地代が乗れば、総額はさらに大きくなります。本体価格は「家のお金のスタート地点」であって、ゴールではないのです。

とくに会社を見比べるとき、本体価格だけ・坪単価だけで比べると、安く見えた会社が、付帯工事や諸費用まで足すと結局いちばん高かった、ということも起こります。だからこそ、はじめから「総額(最終的に支払う金額)」で考えるクセをつけておくと、あとで慌てずにすみます。(比べ方のくわしい話は、関連記事の「坪単価」編でも触れています。)

見落としやすい“あとから効いてくる”お金

では、具体的にどんな費用が「あとから」出てくるのか。代表的なものを4つのグループに分けて並べました。最初の見積もりに含まれていないことも多い項目です。

建物まわり(付帯工事)
  • 地盤改良費/弱い地盤だと補強が必要。数十万〜100万円以上のことも
  • 外構工事/庭・駐車場・門・塀など。本体の1割前後かかることも
  • 屋外の給排水・ガスの引き込み工事
手続き・契約のお金(諸費用)
  • 登記費用/土地・建物の名義登録。司法書士への報酬も
  • 住宅ローンの手数料・保証料
  • 印紙税・不動産取得税などの税金
  • 火災保険・地震保険
暮らしはじめのお金
  • 家具・家電/買い替え・買い足し
  • カーテン・照明・エアコン(“別途”のことが多い)
  • 引っ越し代
そして「予備費」
  • 打ち合わせ中の仕様アップ/キッチンや床材など、こだわると上がりがち
  • 地盤改良など、調べてから判明する費用
  • 総額の1割ほどを予備として見ておくと安心

こうして並べると、地味に思える項目が積み重なって、まとまった金額になることがわかります。とくに諸費用の多くは現金で用意する必要があるため、「ローンは組めたのに、手元の現金が足りない」とならないよう、早めに見込んでおくことが大切です。

で、わが家はいくらまで?──無理のない予算の立て方

全体像が見えたら、次は「わが家にとって無理のない総額はいくらか」です。むずかしく考えなくて大丈夫。次の3つの目安から組み立てていきます。

  1. 「総額」で予算の上限を決める

    本体価格ではなく、土地・建物・諸費用をすべて含んだ総額で「ここまで」というラインを決めます。出発点を総額にするだけで、計画がぶれにくくなります。

  2. 「年収倍率」でざっくり見当をつける

    総額が年収の何倍か、という目安です。住宅金融支援機構の調査では、土地から買って注文住宅を建てた人の年収倍率は平均で約7.5倍。ただしこれは“借りられる上限に近い”水準でもあり、無理なく返すなら年収の5〜7倍ほどを一つの目安に考えると安心です。

  3. 「毎月の返済額」が家計に収まるか確かめる

    借りられる額と、無理なく返せる額は別ものです。毎月の返済額は、手取り収入の20〜25%以内に収まると、家計にゆとりが残りやすいと言われます。教育費や車など、これからのお金も忘れずに。

あわせて考えたいのが自己資金(手元の現金)です。さきほど見たとおり、諸費用には現金で払うものが多くあります。すべてをローンに頼るのではなく、「頭金+諸費用ぶん」をある程度用意できると、返済もぐっとラクになります。

ローンの細かい話は、ここでは深入りしません

金利のタイプや団信、控除など、住宅ローンには知っておきたいポイントがたくさんあります。ただ、まず大切なのは「総額で考え、無理のない返済ラインを知る」という入口。細かい部分は、その先で一つずつ整理していけば大丈夫です。

リガードの想い

価格は、安心して選んでいただくための「情報」。

家の値段は、人生でいちばん大きな買いものの一つです。だからこそ、数字の見せ方で迷わせないことを大切にしたいと考えています。本体価格を安く見せて、あとから費用が膨らむ──そんな進め方では、お客さまは安心して選べません。

「人が、まんなか。」というブランドコンセプトのとおり、わたしたちが見ているのは数字そのものではなく、その先で、ご家族が納得して家づくりを進められることです。総額と、その内訳を、できるだけ早く・透明にお伝えする。お金の不安は、正しい情報で小さくできると信じています。

まとめ|まず「総額」で考える

この記事のポイント
  • 家のお金は土地代+建物(本体+付帯)+諸費用の3本柱。広告の金額はこの一部
  • 首都圏で土地から買う注文住宅の総額は平均でおよそ5,800万円(建設費約3,500万+土地約2,300万)
  • 本体価格に付帯工事・諸費用が乗るため、本体価格=総額ではない
  • 見落としやすいのは地盤改良・外構・登記・ローン手数料・保険・家具家電・引っ越し・予備費
  • 無理のない予算は、総額で考え・年収倍率5〜7倍・返済は手取りの2〜2.5割以内を目安に

「結局いくらかかるの?」という不安の正体は、たいてい全体像が見えていないことにあります。土地・建物・諸費用の3つを合わせて「総額」で見て、自分の年収から無理のないラインを知る。この2つができれば、漠然とした不安は「だいたいこのくらい」という見当に変わります。あとは、その範囲のなかで、納得のいく家づくりを進めていくだけです。