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メンテナンス

無垢フローリングのお手入れ完全ガイド

無垢フローリングの質感は、暮らしのなかで確かな満足を与えてくれます。一方で、お引渡し後にこんなご質問をいただくことがあります。

「水をこぼしてしまったんだけど、大丈夫ですか…?」
「梅雨になると床がきしむ気がするんですが…」
「ワックスはかけたほうがいいですか?」

無垢材は「生きている素材」とも言われます。その性質を知っておくと、日々のお手入れもぐっと気楽になりますし、小さなトラブルにも落ち着いて対処できるようになります。

この記事では、日々のお手入れの基本と、これからの季節の主役となる梅雨〜夏の湿気との付き合い方を中心にまとめました。樹種別のコツやトラブル対処も、必要なところからお読みいただけます。

無垢材ってどんな素材?|“呼吸する床”との暮らし

無垢フローリングは、季節で伸縮し、年月で色も変化していく“呼吸する素材”です。これは劣化ではなく自然な現象。性質を知っておけば、お手入れはずっと気楽になります。

無垢材とは、一本の木から切り出した、混じりけのない天然の木材のことです。合板や複合フローリングと違い、芯まで本物の木。だからこそ、使い込むほどに風合いが深まり、経年変化を楽しめる素材です。

一本の木から切り出された板。木目や節が、その木の歴史を物語ります

呼吸する素材

木は伐採された後も、空気中の水分を吸ったり、放出したりしています。そのため、季節によって少しずつ伸び縮みするのが特徴です。梅雨には膨張し、冬には収縮する。この動きは、無垢材ならではの自然な現象です。

時とともに色が深まる

日光や空気に触れることで、少しずつ色合いが変化していきます。オークなら少しずつ飴色に、ウォルナットならやわらかなブラウンへ。これは劣化ではなく、無垢材ならではの「育ち」です。新しい床が、家族と一緒に年を重ねていく感覚を味わえます。

傷やシミも、暮らしの記録に

お子さまがおもちゃを落とした跡、食卓の下のちょっとしたシミ。無垢材は、こうした小さな痕跡もやわらかく受け止めてくれます。神経質に完璧を保つより、暮らしの痕跡として馴染ませていくのが、無垢材の楽しみ方です。

床板のすき間や反りについて
季節で床板の間に少し隙間が空いたり、逆に詰まったり。これは木が呼吸している自然な現象で、不具合ではありません。
気になるほどの大きな反りや段差が出たときのみ、リガードまでご相談ください。

仕上げで手入れが変わる|オイル vs ウレタン

ご自宅の床の仕上げを知っておくと、お手入れがぐっとラクになります。リガードで多く採用しているのは、オイル仕上げとウレタン塗装の2種類です。

オイル仕上げ

木の表面にオイル(植物性の油)を浸透させる仕上げです。塗膜をつくらないので、木の質感や呼吸感をそのまま楽しめるのが最大の魅力。触れたときのしっとりとした感触、木そのものの表情を味わえます。

一方で、水や汚れが染み込みやすいため、こぼしたものを放置するとシミの原因になります。年1回〜1〜2年に1回の再塗布を目安にすると、長くきれいに保てます。

ウレタン塗装

木の表面に透明な塗膜をつくる仕上げです。塗膜が水や汚れをはじくため、手入れが比較的ラク。小さなお子さまがいるご家庭や、メンテナンスの手間を減らしたい方に向いています。

一方で、木そのものの手触りや呼吸感はやや抑えられ、深い傷がつくと部分的な補修が難しいという面もあります。

見分け方|水滴テスト
わからないときは、目立たない場所に水を1滴たらしてみてください。
・表面でコロコロと玉になる → ウレタン塗装
・スッと木に吸い込まれていく → オイル仕上げ
新築〜数年は明確に判別できますが、年数が経つと判定が曖昧になることもあります。

オイル仕上げウレタン塗装
手触り木そのもののしっとりした質感なめらかで少しツヤがある
水・汚れ染み込みやすいはじきやすい
定期メンテ年1回〜1〜2年に1回のオイル塗布基本不要
補修のしやすさ削って再塗布で再生しやすい部分補修は難しい
木の呼吸感しっかり感じられるやや抑えられる

日々のお手入れ|3つの基本習慣

難しい技術は要りません。日々のお手入れは、3つの習慣を意識するだけで十分です。

原則 01

砂とホコリをためない

砂は床を削る原因。フロアワイパーで毎日サッと。掃除機はブラシヘッドで。

原則02

水を残さない

水拭きは固く絞って。こぼしたら、すぐ乾いたタオルで吸い取る。

原則03

湿度に気を配る

通年40〜60%が目安。夏は60%を超えないように、冬は40%を下回らないように。

3原則を、毎日の動きに落とすと

毎上の3原則を、ふだんの掃除の流れに置き換えると、こんな具体的なステップになります。

フロアワイパーでサッと毎日/3分

乾いたシートで、床面のホコリと砂を取ります。とくに玄関〜LDKの動線は、外から砂が運ばれてきやすいので念入りに。


掃除機はブラシヘッドで週1〜2回

壁際や家具の脚まわりの細かいホコリを取ります。ブラシ付きヘッドが理想。固いノズルで強く擦らないようにご注意ください。


気になるときだけ固絞り水拭き月1〜2回

雑巾をしっかり固く絞ってから拭いてください。びちゃびちゃの雑巾はNG。仕上げに乾拭きをすると、水分が残らず安心です。

難しい道具は不要。ふだん使いの掃除道具で十分です

市販のフローリング用ワックスは基本不要

ドラッグストアで売っている一般的なフローリング用ワックスは、無垢材には向いていないことが多いです。塗膜が重なって複雑なメンテナンスが必要になったり、木の呼吸を妨げたりすることがあります。

ワックス・オイルが必要かどうか
オイル仕上げ:年1回を目安に、専用のメンテナンスオイル(施工時に使ったものと同じオイル)を塗布するのがおすすめ。
ウレタン塗装:基本的に不要。市販のワックスはかえって逆効果になることもあります。
迷ったら、まずはリガードまでご相談ください。

避けていただきたいこと
・スチームモップ(高温の蒸気で木が傷みます)
・アルカリ性・強酸性の洗剤
・びしょ濡れの雑巾での水拭き
・直射日光を長時間当てたままにすること
・ゴム製のマット・キャスターつき椅子の長期固定(跡が残ることがあります)

梅雨〜夏の付き合い方|湿気と上手に

無垢材にとって、もっとも気を配りたい季節が梅雨〜夏。木が湿気を吸って膨張するため、ちょっとした変化が出やすい時期です。けれど、起きる現象を知っておけば慌てる必要はありません。

梅雨に起きやすい現象

床板の隙間が詰まる/盛り上がる

湿気を吸った板が膨張し、隣の板を押し合います。冬に空いていた隙間が消える、小さな盛り上がりが出る、というのは自然な現象です。

きしみ・床鳴り

板同士が押し合うことで、歩いたときに小さな音が出ることがあります。多くは季節が変われば落ち着きます。

床がベタつく感じ

高湿度のときに、足裏が床に少し吸い付くような感覚。床自体ではなく、空気中の湿度が原因です。

家具の下にカビが…

通気の悪い家具の下や壁際は要注意。湿気がたまり、まれにカビが出ることがあります。早めの対処が肝心です。

湿度の目安と整え方

木にも人にも快適なのは湿度40〜60%のゾーンです。梅雨〜夏は60%を超えないように意識すると、無垢材の動きが穏やかになります。

湿度を整える4つのコツ
・エアコンの除湿(ドライ)モードを活用する。湿度設定があるエアコンなら目安は55〜60%。降水量が増える6月中旬以降は、就寝中も弱運転で回しっぱなしにするのが現実的です。
・窓開けは「短時間・対角線で」。雨の日に長時間開けっぱなしにすると、かえって室内に湿気を取り込むことになります。
・サーキュレーターや換気扇で空気を動かす。よどみのある場所をつくらないだけで、ぐっと変わります。
・湿度計を1部屋に1台(2,000円前後から手に入ります)。数字で見える化すると、季節への構えが整います。

梅雨入り前にやっておきたい7つの準備

家具・通気・湿度の3視点で点検
☑ 家具を少しずらし、壁との間に5〜10cmの通気スペースをつくる
☑ ラグやカーペットの下を一度開いて、床面を乾燥させる
☑ クローゼット・押し入れに除湿剤を新調する
☑ エアコン内部のカビ予防に、フィルター掃除をする
☑ 窓まわり、サッシのレールのホコリを取り除く
☑ サーキュレーターをすぐ使える場所に出しておく
☑ 湿度計を、よく過ごす部屋に1台置く

こんなときは早めにご相談を

放置せずご連絡ください
・家具を動かしたら、床に黒い斑点(カビの可能性)が見える
・板の段差が、つまずくほど明らかに大きい
・床面が一部、ずっと湿っぽい感じが取れない
・水まわり・洗面所の床に、変色が広がっている

これらは湿気だけでなく、雨漏りや配管トラブルが原因のこともあります。判断に迷ったら、写真を撮ってリガードまでお知らせください。

こんなときどうする?|トラブルQ&A

対処の基本は1つ。すぐに乾いたタオルで吸い取ること。これさえできれば、ほとんどのケースは大事になりません。

Q. 水やお茶をこぼしてしまった

すぐに乾いたタオルで吸い取ってください。水・お茶・コーヒーなど、すぐに対応できればほとんどの場合シミになりません。拭き取ったあと、固く絞った雑巾で軽く拭き、最後に乾拭きで仕上げると安心です。

Q. ジュースや赤ワイン、醤油をこぼした

色素の強い液体はシミになりやすいので要注意。すぐに乾いたタオルで押さえるように吸い取ってください(こすると広がるのでNG)。そのあと固く絞ったぬるま湯の雑巾で何度かやさしく拭き、乾拭きで仕上げます。

Q. シミができてしまった

仕上げによって対処法が変わります。

  • オイル仕上げ:240〜320番のサンドペーパーで木目に沿って軽く削り、400番で整えてから同じオイルを塗布。DIY可能ですが、自信がなければご相談ください。
  • ウレタン塗装:塗膜の下まで染み込んでいると部分補修が難しいことがあります。気になる場合はリガードまでご相談ください。

Q. へこみや傷がついてしまった

  • 浅いへこみ(オイル仕上げのみ):濡らしたタオルをへこみの上に置き、中温のアイロンを5〜10秒ずつ当てる。蒸気で木の繊維が膨らみ目立たなくなることがあります。ウレタン塗装には使えません。
  • 深い傷:ホームセンターの補修用クレヨンやパテで対応できます。ただし傷も無垢材の味のひとつ。あまり神経質にならず、暮らしの記録として受け入れるのもおすすめです。

Q. 日焼けで色が変わってきた

日光に当たる場所だけ色が変わるのは自然な現象です。対策はラグや家具の位置をときどき変えること。全体に満遍なく日光が当たるようにすると色の差が馴染んでいきます。強い直射日光が気になる場合はレースカーテンやブラインドで遮光するのも効果的です。

Q. 床鳴り・きしみが気になる

梅雨〜夏は湿気で板が膨張して音が出やすい時期です。多くは季節の変化とともに落ち着きます。季節を一巡しても続く場合や特定の場所だけ強く鳴る場合は、ご相談ください。

Q. ペットや小さなお子さまがいます

基本のお手入れで十分です。水をこぼしたらすぐ拭く、爪を定期的に切る(ペット)など、ちょっとした気配りで十分きれいに保てます。傷がつきやすいご家庭は、ダイニング下などだけ部分的にラグを敷くのもおすすめです。

樹種別ワンポイント

リガードで採用の多い4樹種ごとに、お手入れのワンポイントをご紹介します。基本のお手入れは共通ですが、樹種によって少しずつ特性が違います。

オーク

硬度:高 色味:明るめ

硬くて傷に強く、バランスの良いオールラウンダー。経年でゆっくりと飴色に変化します。お手入れは標準どおりで十分。3つの基本習慣がいちばん効きます。

アカシア

硬度:高 色味:濃淡 強

色のコントラストが強く表情豊かな樹種。硬度も高めで傷に強い特性。目立ちにくいぶん、家具下のカビは見落としがち。梅雨は家具をずらして点検を。

バーチ

硬度:中 色味:明るい

明るく優しい色合いで、お部屋を広く感じさせる樹種。水こぼしは早めに吸い取る意識を。重い家具の脚にはフェルトを敷いておくと安心です。

ウォルナット

硬度:中(やわらかめ) 色味:深いブラウン

落ち着いた深いブラウンが特徴の高級樹種。4樹種のなかではやわらかめなので、椅子の引きずりや落下物にはひと工夫を。色が濃いぶんホコリも目立ちやすく、フロアワイパーはこまめに。

年に一度のメンテナンス|セルフかプロか

オイル仕上げの場合、年1回〜1〜2年に1回を目安にメンテナンスオイルの再塗布をしておくと長くきれいに保てます。気候が安定した秋(10〜11月頃)が、もっとも作業しやすい時期です。

セルフでOKプロに依頼
こんなとき全体的にうっすら乾いた感じ/部分的なシミが気になる広い範囲で深いシミ/反り・段差/施工後5〜10年の節目
所要時間10畳で半日〜1日(乾燥含む)家全体で1〜2日(範囲による)
用意するもの専用メンテナンスオイル/ウエス/サンドペーパー(240〜320番+仕上げ400番)ご相談ください
気をつけること木目に沿って薄く塗る/しっかり換気を/ウエスは火気厳禁で処分事前に家具を移動できるとスムーズです

オイルを染み込ませたウエスの取り扱いに注意
植物性オイル(亜麻仁油・桐油など)が染み込んだウエスは、まれに自然発火することがあります。米国NFPA(全米防火協会)でも年間数百件の火災原因として注意喚起されています。
・使用後は外で広げて完全に乾燥させる、または水を含ませて密閉できる金属容器・ジップ袋に入れて廃棄
・新聞紙の山に丸めて捨てる、燃えやすいゴミと一緒にする、といった処分はけっしてなさらないでください

完璧を目指さなくて大丈夫です

リガードから一言
無垢の床は、家族の時間とともに育っていく素材です
新築のころのフラットでムラのない表情も素敵ですが、5年後・10年後にしか出ない味わいこそが、無垢材のほんとうの魅力だと私たちは思っています。
少しのシミ、小さな傷、季節で変わる隙間。それらは「不具合」ではなく、その家で過ごした時間そのものです。
もし判断に迷ったり、気になるところがあれば、遠慮なく写真を一枚お送りください。「これは経過観察で大丈夫」「これは早めに見に行きます」と、私たちのほうで仕分けしてご返事します。

まとめ

  • 無垢材は呼吸する素材。季節で伸縮し、年月で色が深まるのは自然なこと
  • 仕上げ(オイル / ウレタン)で手入れが変わる。見分け方は「水滴テスト」
  • 日々のお手入れは3つの習慣──砂とホコリをためない/水を残さない/湿度に気を配る(通年40〜60%)
  • 梅雨〜夏は60%を超えないように。エアコン除湿・対角線換気・サーキュレーターを活用し、梅雨入り前のチェックで備える
  • 水や飲み物をこぼしたら、すぐに乾いたタオルで吸い取るのが基本。シミ・傷もオイル仕上げなら削って再塗布で再生できる
  • 樹種ごとの個性(オーク/アカシア/バーチ/ウォルナット)を知っておくと、手入れがより的確に
  • 判断に迷ったら、写真を一枚リガードへ。一緒に確認します

無垢の床は、時間とともに表情が深まっていく、暮らしのパートナーのような存在です。神経質に完璧を保とうとするよりも、日々の暮らしのなかで自然に付き合っていく。それが、いちばんのお手入れかもしれません。

お手入れ方法やシミ・傷のことで、気になることはありませんか?
リガードでは、オーナーさまへの引渡し後のサポートも大切にしています。
些細なことでも、お気軽にご相談ください。

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