着工前~地盤改良工事 準備

近隣挨拶

担当工事監督が建築現場の近隣住民への挨拶を行います。

近隣挨拶と建築工事の重要性:近隣挨拶は、建築工事を進める上での基本的なマナーとして認識されていますが、その背後には、実は深い意味が込められています。以下に、リガードの施工・工事スタッフの視点から近隣挨拶の重要性とその効果について詳しく解説します。

1. 信頼関係の構築

近隣挨拶は、工事を行う側と近隣住民との間に信頼関係を築く第一歩となります。挨拶をすることで、工事の内容や期間、工事中の注意点などを伝えることができ、近隣住民の不安や疑問を解消することができます。また、挨拶を通じてお互いの顔を知ることで、万が一のトラブルが発生した際の対応もスムーズに行うことができます。工事が終われば、お施主様が入居されます。我々の工事期間の態度がお施主様のお引渡し後の近隣環境にも影響すると考えています。

2. 工事の円滑な進行

近隣挨拶を行うことで、工事に関する情報を事前に共有することができます。これにより、近隣住民が工事の進行を理解し、協力的になってくださることも期待されます。例えば、工事車両の通行や騒音に対する理解を得ることができれば、工事の進行がスムーズになります。

3. トラブルの予防

工事中には、騒音や振動、埃などの影響が避けられない場合があります。しかし、近隣挨拶を行うことで、これらの影響を最小限に抑える対策を講じることができます。また、近隣住民からの要望や提案を受け入れることで、トラブルを未然に防ぐこともあります。

4. 着工前の現地調査の重要性

近隣挨拶を行う際には、現地の状況を十分に把握することが重要です。付近の交通事情や道路の状態、近隣の建物や植樹などの状況を確認することで、工事の計画をより具体的に進めることができます。また、現地調査を入念に行うことで、工事中のリスクを事前に把握し、適切な対策を講じることができます。

5. 協力業者との連携

近隣挨拶を行うことで、協力業者との連携もスムーズに行うことができます。協力業者に対して、近隣の状況や要望を伝えることで、工事の進行を円滑に進めることができます。また、協力業者も近隣住民との関係を重視することで、より質の高い工事を行うことができます。

6. まとめ

近隣挨拶は、建築工事を進める上での基本的なマナーであると同時に、工事の成功を左右する重要な要素となります。工事を行う側としては、近隣住民との良好な関係を築くことを最優先に考え、適切な挨拶と情報共有を行うことが求められるとリガードの施工・工事スタッフでは考えております。

着工前~地盤改良工事

2023年7月某日

着工に先立って現地の確認を行います。
建築予定地の地形や地質、隣接する建物や道路の状況などを詳しく調査します。
実際の土地の様子や周辺の住宅の様子、道路の幅や人通りなど確認します。
作業中は大きな作業車が出入りしたり、場合によっては道路使用許可をとって車通りを制限する必要があります。
協力業者の方たちがスムーズに作業できるかどうかなど事前の調査はとても重要です。

現地の確認
現地の確認

地縄張り・地鎮祭・地縄承認

地縄張りは、建物の配置や形状を実際の土地上で確認するための作業です。この作業を行うことで、設計図面と実際の土地との間にズレがないか、また土地の形状や地形に合わせて最適な配置ができているかを確認することができます。また、地縄張りを行うことで、建物の大きさや形状、方位などを具体的にイメージすることができ、後の工事の進行に役立てることができます。この作業は現場監督が建設予定地で行います。

敷地に設置されている「境界プレート」「境界杭」
敷地に設置されている「境界プレート」

敷地に設置されている「境界プレート」「境界杭」(写真の赤い矢印)を元に敷地の形を正確に測定します。
目に見えない土地と土地の境目を正確に測定していく作業な為、正確に慎重に作業していきます。

近隣との境界にあるブロックを利用して、完成後の土地の高さのイメージも確認します。

境界ブロック
境界ブロック

測定した境界を元に設計図面を照合し、建築予定地に縄(写真の白いロープ)を張ります。
このとき、建物の角や中心点などを正確に示すための杭を打ち込みます。

建築予定地に縄(写真の白いロープ)を張った図
建築予定地に縄(白いロープ)を張ります

縄張りが終わったら、その位置や形状が設計図面通りであるか、また実際の土地の条件に合わせて適切な配置になっているかを確認します。特に近隣の建物との距離、雨樋や屋根の形状、2階の窓から見える景色、外壁の光の当たり方などを想像しながら一つ一つ確認していきます。

後に続く地鎮祭の際にお客様にも確認していただくので、監督がしっかりとイメージを持つことが大事です。

地鎮祭

地鎮祭は、建築工事の安全や成功を祈願するための儀式です。この儀式を行うことで、工事関係者や近隣住民との関係を深めるとともに、工事の進行に対する神聖な意識を持つことができます。

地鎮祭の様子 地鎮祭の様子 地鎮祭の様子 地鎮祭の様子
地鎮祭の様子

地鎮祭の際に、地縄の確認(地縄承認)を行います。
お客様に現地を確認してもらい、建物の配置や形状、方位などを最終的に確認し承認してもらいます。

この工程を行うことで、お客様の意向を正確に反映した上で、工事を進めることができます。事前に監督が確認し共有した情報を元にお客様にご説明を行います。
新しい家や生活を現地でイメージしていただくので、工事部としてもとても楽しい瞬間です。

リガード新築注文住宅工事部の役割

地縄張りや地鎮祭、地縄承認の各工程において、工務の役割は非常に大きいです。専門家は、設計図面と実際の土地との間にズレがないかを確認するとともに、土地の条件やお客様の要望に合わせて最適な配置を提案することが求められます。また、地鎮祭では、工事の安全や成功を祈願するとともに、工事関係者との関係を深める役割も果たします。

まとめ

地縄張り・地鎮祭・地縄承認は、家づくりの初期段階で行われる重要な工程です。これらの工程を正確に行うことで、後の工事の進行をスムーズに進めることができ、お客様の満足度も高まります。リガードの施工・工事スタッフでは、これらの工程に細心の注意を払い、お客様の要望や土地の条件を十分に考慮した上で、最適な提案を行うよう努めております。

地盤改良工事

新築住宅を建てる前には、必ず地盤調査を行う必要があります。この調査により、地盤の強さや土の種類、水分量などの情報を得ることができます。特に、地盤の強さを示す地耐力は、建物を安全に支えるための最も重要な指標となります。

地盤の種類と問題点

地盤には、さまざまな種類があります。例えば、粘土質の地盤は水分を多く含むため、建物の荷重によって沈下しやすいという特徴があります。また、砂質の地盤は、地震の際に液状化するリスクがあります。これらの地盤の問題点を正確に把握することで、適切な地盤改良工事を行うことができます。

スクリュードライバーサウンディング試験
スクリュードライバーサウンディング試験

今回は、SDS調査(写真:スクリュードライバーサウンディング試験)により地盤強度と数値、土質を測定します。
また土地のもともとの形状や傾斜、段差、地表面の状態など複合的に調査し、地盤の改良が必要か判断していきます。
今回は地盤補強が推奨される土地の為、改良工事の手配を行います。

地盤改良工事の方法

地盤改良工事には、地盤にセメントを注入して固める方法や、鋼管を打ち込む方法などがあります。
今回は、事前調査の結果に基づき、柱状改良工事「くし兵衛工法」による改良工事を行いました。柱状改良工法とは、セメント系凝固材を地盤に注入し、固い地盤までセメントの強固な柱をさし、家を支える工法です。

柱状改良工事「くし兵衛工法」の様子 柱状改良工事「くし兵衛工法」の様子
柱状改良工事「くし兵衛工法」の様子

建物の価格とは別の費用になり、比較的高額な費用ウエイトとなります。しかし、地盤改良工事を行わないことで、後々の建物の修復費用がかさむリスクもあります。そのため、初期投資として地盤改良工事のコストをかけることで、長期的なコスト削減や安心して住み続けていただくための安全性に関わる大切な工程です。

基礎工事~上棟

地盤改良が完了していよいよ着工です。
着工には複数の工程が関係します。一番最初は建物の「基礎」になりますが、その前に大事な仮設計画を立てていきます。
「仮設」とは建築予定地の周辺を囲うフェンスや、作業に欠かせない水道や電気の準備です。
仮設計画は、お客様の建物を一緒に建築していく協力業者の方たちが、スムーズに快適に作業していくためにとても重要です。

現場監督が、敷地の使い方や作業効率を考えて実際の図面に手書きで指示を書き、仮設設置業者に依頼をします。

仮設計画書
実際の仮設計画書

作業をする人の靴が汚れないように土の上にゴムマットを配置したり、敷地のフェンスやゴミを置く場所や仮設トイレや水道、敷地を守るフェンスなど利用する職人さんのことを考えながら計画を立てていきます

2. 掘削工事

基礎を作るための掘削工事が行われます。この工程では、建築予定地を掘り起こし、砕石を敷き詰める作業が行われます。

砕石を敷き詰める作業の様子

3. 根切りと砕石敷き

掘削工事の後、根切りという作業が行われます。これは、基礎を作るための土を掘り取る作業です。根切りの後、砕石を敷き詰める作業が行われます。砕石は、基礎の下に敷き詰めることで、地盤の強度を上げる役割があります。

鎮め物
鎮め物
根切りの様子

転圧の後、配筋の作業が行われます。配筋は、基礎の強度を上げるための鉄筋を組み立てる作業です。

この際、配筋のピッチ、つまり鉄筋の間隔を正確に計測することが重要です。

配筋の作業の様子 配筋の作業の様子

4. 配筋検査、かぶり厚チェック、およびスリーブ配置

配筋が終わったら、配筋検査が行われます。この検査では、鉄筋のピッチや配置が適切であるか、また鉄筋とコンクリートの間の厚み(かぶり厚)を確認する作業が行われます。基礎と建物本体を緊結するアンカーボルト(金物)が正しくまっすぐに設置されているかのチェックも行います。また、基礎を貫通する配管の通り道を事前に作っておくため、スリーブというものを事前に配置します。リガードの場合は、水道やガス、換気の通り道も計画に沿って配置されます。

配筋検査の様子 配筋検査の様子
配筋検査の様子

5. コンクリート打設

検査に合格したら、コンクリートの打設が行われます。この工程では、コンクリートが均一に流し込まれ、空気の隙間がないように注意が払われます。基礎のコンクリートは重量を支える力は強いのですが、引っ張られる力には弱い性質があります。これを補うために鉄筋が配置されています。

コンクリート打設の様子

基礎の上に建物が立ち上がっていくので、基礎の大きさや配置、金具の位置や種類などが狂いなく正しく配置されていることは、品質や安全性にとって非常に重要です。監督は職人さんと打ち合わせをしっかり行い、繰り返し丁寧に確認していきます。

コンクリート打設の様子

6. 基礎の養生

コンクリートの打設後、一定期間養生が行われます。養生とは、コンクリートが十分な強度を持つまでの時間を確保するための作業です。養生期間中は、コンクリートが乾燥しないように、シートで覆ったり、水をまく作業が行われます。

強度に必要な養生期間は季節や天候によって変わります。しっかりと強度が確保できたのちに、型枠を外し基礎の上に土台を敷いていきます。大工さんが最初に現場で作業するのは、このタイミングです。

大工さんが基礎の上に土台(柱を支える木材)を敷いていきます。
大工さんが基礎の上に土台(柱を支える木材)を敷いていきます

建物の基礎となるコンクリートの上に、土台となる木材を敷きます。基礎業者が配置している金物(基礎の上に立っているピン)の位置を図り、土台を加工して固定していきます。一つの建物で100か所以上あります。

また基礎(コンクリート)とこの土台(木材)の間に気密パッキンを敷いていきます。コンクリートの表面や木材には微細な凹凸が存在するため、これらの隙間を埋め建物の隙間を出来るだけ少なくなるよう、すべての土台の下に敷いていきます。

土台敷きのタイミングで、基礎内の断熱工事も実施されます。リガードの施工方法では、床面に断熱材を敷くいわゆる床断熱方式ではなく、基礎の外周部分に断熱材を配置します。これにより、床下も室内空間の一部として考え、外気の侵入を防ぐことができます。この断熱工事は、冬の寒さや夏の暑さから室内を守るために非常に重要です。

基礎の断熱には、『ミラフォーム』という断熱材を、基礎の立ち上がり部分100mm・底版に50mm使用しています。吸水・吸湿性がほとんどなく、断熱性能の劣化を防ぎます。更に、ホルムアルデヒドを含んでいないので、人や地球にやさしく、安全性に優れています。

土台の外周部分や配管の周りの隙間を埋めていくために、発泡ウレタン、コーキングを使用して気密処理を行います。
建物のすべての隙間を埋めていく為、かなりの時間と手間が掛かりますが、この手間が高い気密数値を出していくのに重要な為、大工さんたちに協力してもらい丁寧に施工してもらいます。

これにより、外部からの冷気や暖気の侵入を防ぐことができ、室内の温度を一定に保つことができます。高い気密性能は、快適な室内環境を保つために不可欠です。

『ミラフォーム』という断熱材を、基礎の立ち上がり部分100mm・底版に50mm使用

7. 上棟(棟上げ・建前)

土台が完成したら、次に上棟作業が行われます。この工程では、土台の上に柱や横架材(梁など)を組み立てていきます。大勢の職人さんたちが一日で屋根まで組み立てるため、現場監督は各作業が滞りなく進むように全体を監督します。

まずは1階の床パネルを敷いていきます。

床パネルを敷いていきます

1階の柱を立てていきます。

1階の柱を立てていきます 1階の柱を立てていきます

続いて2階

2階の柱を立てていきます 2階の柱を立てていきます 2階の柱を立てていきます

小屋裏

小屋裏

気密テープと制震テープの施工

リガードの建築方法では、気密テープを使用して金物の接合部や木材同士の継ぎ目を密封します。これにより、外部からの気流の侵入を防ぐことができます。すべての柱や梁、土台との接合部に貼るためかなりの数に上ります。

気密テープ
柱と梁の隙間を埋める気密テープ(黒いテープ)

また、制震テープも使用されます。このテープは、地震の揺れによる建物のダメージを軽減するためのもので、外周部の柱や梁と合板を一体化させる効果があります。

制震テープ
制震テープ(白いテープ)

『制震テープ』とは、アイディールブレーン社の商品で、高層ビルの制震装置を木造住宅へというコンセプトで開発されたものです。東京大学と清水建設との3社で共同開発されました。
地震が起こった際、最大揺れを80%低減できる効果が確認されており、劣化の三要素(紫外線劣化、酸化劣化、熱劣化)をすべてクリアしているので、110年後も十分な制震性能があるとされています。

制震テープについて詳しくはこちら

まとめ

基礎工事から上棟までの工程は、新築住宅を建てる際の非常に重要な工程となります。この工程を正確に行うことで、家の安全性や耐久性、さらには住み心地を向上させることができます。専門家としては、各工程での正確な作業と、安全確保のための対策を行うことが求められます。

大工工事本格スタート~建物のハコとしての性能が決まる最重要工程

木造住宅の建築における木工事は、その後の住宅の安全性や耐久性、さらには住み心地に大きく影響する重要な工程です。以下に、リガード新築注文住宅の工事部としての視点から、新築の木工事における重要なポイントを詳しく解説します。

1. 耐力面材の選択と施工

耐力面材は、建物の耐震性を確保するための鍵となる部材です。リガードは構造用合板を全面張りではなく、さらに壁倍率の高い耐力面材を選択することで、地震時の建物の揺れを大きく抑えることを可能にしています。しかし、この面材の選択だけでなく、その施工方法も非常に重要です。特に、壁倍率が高いということは、それだけ引き抜きの負担がかかるため、引き抜き対策として、柱頭柱脚金物の正確な配置や、設計指示に従った施工が求められます。

耐力面材

2. 木材の品質と選定

木造住宅の強度は、各部材の結合部に大きく依存します。特に、柱や梁の結合部は、地震時の揺れに対する耐力の中心となるため、金物やボルトを使用してしっかりと固定することが重要です。

主要構造部(たすき掛け筋交い)
主要構造部(たすき掛け筋交い)
火打金物
火打金物

4. 断熱・気密性の確保

近年、住宅の断熱性や気密性は、エネルギー消費の削減や住環境の快適性向上のための中心的なテーマとなっています。特に、冷暖房の効率を高めるためには、住宅の断熱性能を最適化することが不可欠です。断熱性能を示す指標として「Ua値」があります。Ua値は、住宅全体の熱損失を示すもので、この値が低ければ低いほど、断熱性能が高いと評価されます。

具体的には、外気と室内の温度差によって生じる熱の流れを、住宅の外皮全体でどれだけ抑えられるかを示す値です。このUa値を低く保つためには、住宅の各部分の断熱性能を高めることが必要です。特に、最上階の天井や外周面の壁は、熱の損失が大きくなりやすい部分であるため、ここに断熱材をしっかりと施工することが重要です。断熱材の選定においては、材料の熱伝導率や厚さ、施工方法などを考慮し、最適なものを選ぶ必要があります。

S様邸では、最上階の天井(屋根裏)には発泡ウレタンフォームを160mm、壁の断熱も充填断熱を採用しています。希望があれば充填断熱+外断熱も採用し、断熱性能をより高めるケースもあります。壁の充填断熱は、主に吹付けの発泡ウレタンフォームの90mmを使用しています。上記いずれかの断熱材と、後述するAPW330という樹脂サッシの窓を採用することで、断熱等級6の基準であるUa値0.46以下をお約束しています。

天井(屋根裏)には発泡ウレタンフォーム160mm 壁の断熱は充填断熱を採用

気密性についても、断熱性能と同様に住宅の快適性やエネルギー消費に大きく影響します。気密性が高い住宅は、外部からの冷気や暖気の侵入を防ぐことができ、室内の温度変動を最小限に抑えることができます。これにより、冷暖房の効率が向上し、エネルギー消費を削減することが可能となります。断熱・気密性の確保は、住宅の長寿命化や住環境の快適性向上、さらには地球環境の保護にも寄与するものです。これらの性能を高めるための施工は、住宅を建築する際の最も重要な工程の一つと言えるでしょう。

5. 防蟻・防湿対策

木造住宅の敵であるシロアリや湿気から建物を守るための対策も、木工事の段階で行う必要があります。特に、土台部分は地面からの湿気やシロアリの侵入が容易なため、専用の薬剤を使用して予防することが重要です。

6. サッシの正確な設置

サッシは、住宅の断熱性や気密性、さらには外観にも大きく影響する部分です。そのため、サッシの設置は非常に重要な工程となります。まず、サッシの取り付け位置や高さを正確に確認し、設計図通りの位置に取り付けることが求められます。また、サッシの取り付け時には、隙間が生じないように気をつけることが重要です。

7. 雨仕舞処理の徹底

サッシの取り付け後、雨仕舞処理を行うことで、雨水の侵入を防ぐことができます。特に、サッシの上部や下部には、雨水が侵入しやすいため、先張り防水シートやブチルテープを使用して、しっかりと雨仕舞を行うことが必要です。この雨仕舞処理は、サッシの耐久性や住宅の気密性を保つための重要な工程となります。

窓周りの防水処理
窓周りの防水処理
サッシ上部、庇(ひさし)周りの防水処理もすべての箇所を丁寧に施工
サッシ上部、庇(ひさし)周りの防水処理もすべての箇所を丁寧に施工

8. サッシ周辺の気密処理

サッシの取り付け後、その周辺部分の気密処理も欠かせません。サッシの開口部は、住宅の気密性にとっての天敵となるため、隙間をしっかりと埋めることが求められます。特に、サッシの取り付け部分や隅角部には、気密テープやシーリング材を使用して、隙間をしっかりと封じることが重要です。

屋根・外壁工事

建物の外壁と屋根は、外観や耐久性を向上させ、気候条件から建物を保護するための重要な工程です。

屋根はガルバリウム鋼板による施工です。
ガルバリウム鋼板とは、表面にアルミニウム・亜鉛・シリコンのめっき(膜)を施した薄い鉄板です。
金属製によるメリットの耐水性、防水性だけでなく軽量であることも特徴です。
一般的には、建物の最上部である屋根の重量が軽い事は地震による揺れの影響を軽減します。

ガルバリウム施工の前に、屋根の下地施工をします。
改質アスファルトルーフィングと呼ばれる防水シートで、品質や防水性が高く下地に適しています。
屋根からの雨漏りは建物へ大きな被害を与えるため、慎重に丁寧に施工していきます。

アスファルトルーフィング
アスファルトルーフィング
アスファルトルーフィング

左右のつなぎ目は200㎜以上、上下は100㎜以上重ねて施工し、防水テープで補強します。
ヨレやたわみ等は雨漏れの原因になる可能性があるため、しっかりと密着、一体化するように貼っていきます。

ガルバリウム鋼板

1.湿気、雨水の対策

高断熱・高気密のリガードの建物は、壁・屋根などの内部に、室内側からの水蒸気、屋外からの雨水侵入を防ぐように配慮されています。
しかし、特に壁内への水蒸気の侵入を100%防ぐのは困難ですし、実際に壁内や屋根の中に水蒸気が侵入した際には、柱・梁などの木材を濡らし、住宅の寿命を短くするリスクがあります。そこで、リガードでは壁内の水蒸気を屋外に排出するための通気層を設けています。

外壁材を張る前の処理として、家全体に透湿防水シートを施工します。

これは透湿性(水蒸気を通す性質)と防水性(水を弾く性質)の両方を併せ持ったプラスティック製のシートです。
このシートの施工によって、室内側の湿気が壁の中に滞留せずに外壁と断熱の間の通気層(空気の通り道)を通って外に逃げられるようになります。透湿性と同時に防水性がありますので、外部からの雨水が入り込むのを防ぐことができます。
窓や玄関ドアなどの開口部には、シートを防水テープで接着し家全体の防水性能を確保していきます。

リガードでは外壁材の固定方法として、通気金具を使用しています。
金具自体の厚みが15㎜ほどありこれにより外壁と建物の断熱層との間に通気層(空気の通り道)を確保することができます。

リガードでは屋根には吹付断熱による施工をしていますので、吹付断熱と屋根材との間に通気層を作る必要があります。このルーフスペーサーの作る通気層のおかげで結露を防ぎ断熱材の性能を維持できます。

透湿防水シート 透湿防水シート

2.貫通部・開口部の処理

建物にはサッシや出入口、換気扇や配管の通り道となるいくつもの貫通部が存在します。それらの貫通部から雨水の侵入を防ぐために一体成型された防水部材を設置しています。防水テープによる施工と比べ、一体成型された部材の使用は施工時のミスによる雨水のトラブルを未然に防ぐことができます。

3.外壁・屋根材の施工

貫通部の処理が終わったら外壁の施工に入ります。

S様邸はサイディングにジョリパット塗装(吹付)です。ジョリパットはモルタル外壁用の塗料です。耐用年数が通常の塗料よりも長いと言われています。また粘性が高く外壁の伸縮に追従することができます。

吹付けの下地になるサイディング 吹付けの下地になるサイディング
吹付けの下地になるサイディング

仕上げ段階

1. 住宅設備・内部の造作

配線・配管工事

木造住宅の特性を活かし、壁や床の中に電気や水道の配線・配管を埋め込むことで、美観を損なわず、また後からのメンテナンスやリフォームがしやすい構造を目指します。特に、湿度や温度変化が激しい場所では、配管の結露防止や断熱対策も重要となります。

天井照明の配線
天井照明の配線
キッチンレンジフード
キッチンレンジフード

内部造作

木造住宅の魅力の一つは、自由度の高い内部造作です。天井や床、壁の材質やデザインを選ぶことで、住まい手のライフスタイルや趣味、好みを反映した空間を実現できます。また、家具や収納、照明などの配置も、住まい手の生活スタイルに合わせて最適化されます。

内部造作 内部造作 内部造作

2. 電気検査・木完検査

住宅の安全性や機能性を確保するため、電気設備や木工事の完成後には、専門家による検査が行われます。この検査では、施工ミスや材料の不具合など、目視では確認しにくい部分も含めて、徹底的にチェックされます。特に、木造住宅では、木材の乾燥や収縮による影響も考慮し、適切な調整や補修が行われます。

3. 内部仕上げ施工

意匠の収まり

木造住宅の内部仕上げでは、細部にわたるデザインや仕上げの質が求められます。例えば、建具の取り付け位置や、照明の配置、壁の色や材質の選択など、一つ一つの選択が、住まいの全体の印象や機能性を大きく左右します。 最後に、木造住宅の仕上げ段階は、住まい手と建築家や職人とのコミュニケーションが非常に重要です。住まい手の要望やライフスタイルを正確に理解し、それを具体的な形に落とし込むための打ち合わせや調整が頻繁に行われます。このコミュニケーションの過程で、住まいのデザインや機能性、そして住まい手の満足度が高まっていきます。

お引渡しに向けて

住宅の建築が完了し、お客様へのお引渡しの時期が近づくと、緊張感が増してきます。何ヶ月もの間、多くの職人や業者が関わってきた建築物を、お客様に満足していただける状態で引き渡すための最終的な工程が始まります。

まず、建築中に発生した汚れやほこりを徹底的にクリーニングします。これは、お客様が新しい住まいに入居する際の第一印象を良くするため、また、健康的な生活を始めるための重要なステップです。

次に、監督検査が行われます。これは、建築中の各工程でのチェックとは異なり、全体的な仕上がりや機能性を確認するためのものです。特に、図面通りの仕上がりや、設備の動作確認など、お客様が住み始めた際に問題が生じないようにするための重要な工程です。

リガードのような建築会社では、監督検査だけでなく、社内検査という独自の検査も行われます。これは、品質管理の観点から、再度の確認を行うものです。お客様にとっては、このような二重、三重の検査が行われることで、安心感が増します。

そして、最終的にはお施主様との立ち合いでの最終確認が行われます。この時には、お客様の目線でのチェックが行われ、細かな部分まで確認されます。これにより、お客様の要望や期待に応えることができる住まいが完成します。

お引渡しは、弊社リガードとしての責任を果たすための最終的なステップです。多くの時間と労力をかけて建築された住まいを、お客様に安心して住んでいただける状態で引き渡すことは、リガードとしての誇りでもあります。

引き渡し式
一つの物語の結末

初めての出会い。お客様の瞳には夢と期待が輝いていました。それは、家族の未来を描く一歩の始まりでした。リガードとして、その夢を共有し、一緒に歩むことを誓った瞬間でした。家づくりの道のりは、まるで一冊の小説のよう。ページをめくるごとに新しい章が始まり、喜びもあれば、時には涙もありました。打ち合わせの席での熱い議論、工事現場での予期せぬトラブル。しかし、それらの困難を乗り越えるたびに、私たちとお客様の絆は深まっていきました。そして、多くの日々を経て、ついにその日がやってきました。引き渡し式。この日のために、どれだけの努力と汗と涙を流してきたことでしょう。心の中で鳴り響くドキドキの音、それは完成した家と、これから始まる新しい生活への期待と希望の音です。

式の場には、初めての出会いから共に歩んできた多くの仲間たちが集まりました。監督、営業、設計、そして何よりもお客様。一つ一つの表情には、この長い旅路での喜怒哀楽が刻まれています。新しい家の鍵を手渡すその瞬間、時間が止まったかのような静寂が広がりました。そして、お客様の目からは涙がこぼれ落ちました。それは、感謝と喜び、そして新しい未来への期待の涙でした。リガードとして、この引き渡し式はただの終わりではありません。新しい物語の始まりです。お客様の家族がこの家で過ごす日々、その笑顔と幸せを想像しながら、私たちは再び新しい出会いを待ちわびます。

引渡式の様子 引渡式の様子 引渡式の様子 引渡式の様子