Lifestyle stories
Regard person
#11:建築士 中村勇貴
叶えたい未来を共に考え、伴走する、リガードの建築士の仕事
家を建てる原動力を大切にしながら、
イメージの枝を広げていく
中村さんが建築士というお仕事を目指したきっかけから教えていただけますか?
中村:小さい頃からモノを作るのが好きで、プラモデルや学校の工作の時間が大好きでした。その延長なのか、家づくりに憧れを持つようになっていました。小さい頃の将来の夢は大工さんだったんですが、中学生の時に、学校の先生から建築士という仕事があることを教えてもらって。小さい頃は“家づくり=大工さん”という発想しかありませんでしたが、建築といってもいろいろな仕事があることを知り、興味を持つようになり建築士を目指すようになりました。


模型は外部に委託して製作されることも多いが、中村は自身で製作してプランと向き合っている
建築/設計の仕事といってもさまざまな業種やジャンルがありますが、その中でなぜ住宅の設計を選ばれたのでしょうか。
中村:商業施設はダイナミックだし、公共施設もやりがいがありそうだなと思うんですが、人が生きていくなかで一番たくさん触れる建物、どんな場所よりも長い年月過ごすところは“家”だと思うので、自分はそこに携わっていきたいなと思いました。
リガードでは、お客さまと建築士との打ち合わせの時間をとても大事にしていますよね。1回の打ち合わせに3時間ほどかけてじっくりヒアリングされてます。中村さんは、最初の打ち合わせではどんなことを大切にしながらお話されていますか?
中村:設計に関するご要望やイメージは事前にある程度お伺いしているので、それを深掘りするところから始めますね。
気をつけているのは、“枝”や“葉っぱ”の話だけに終始しない、ということでしょうか。家を建てるからには必ず“叶えたいこと”や理想的な未来というのがあるはずで、新しい家で新しい生活を始める時に大切にしたいことや、家を建てる原動力があると思うんです。木にたとえると、そういう“幹”や“根っこ”にあたる部分をおろそかにして、色とかデザインとか枝葉の話だけで終わってしまうと“叶えたいこと”から遠ざかったプランになってしまうかもしれません。
なので、打ち合わせでは常に“幹”を意識しながら、お客さまが描いているイメージや要望を伺うようにしています。

「どんな暮らしが叶えられると良いのか」「どんな未来にしていきたいのか」、そこを大事にされているんですね。逆に、そこがすり合っていれば、選択肢が無数にある“枝”や“葉っぱ”の部分も自ずと正解が見えてくるのかもしれないですね。
打ち合わせを経て固まってきた構想やアイデアを、どのような部分から設計へ落とし込んでいくのですか?
中村: “ゾーニング”と呼ばれるところから考えていくことが多いですね。この部屋とこの部屋は隣り合っていないと今回描きたいストーリーは成立しないよね、みたいな感じで、どこにどんな空間を配置していくかを考えていきます。
たとえば、家の中に汚れを持ち込みたくないから、帰宅したらすぐにお風呂に入ることにしているお客様であれば、玄関と脱衣所は近い方が良いですよね。家の中に仕事場を構えている方であれば、オンとオフをどこの空間で切り替えることができるか・・・などです。その関係性を紙に書いて線で結んだりしながら考えていっています。
なので、打ち合わせの時に「朝、起きてからどこで何をしますか?」「夕方は、誰が何時くらいにどんな順番で帰ってきますか?」など、1日の生活の流れやルーティンをお伺いすることも多いですね。

必要とされる空間と空間の関係性、距離感などを描きながら設計を考えていく
答えに辿り着くまでの道筋は、
ひとつとして同じものはない
設計は同時に何件も進められているとのことですが、一番大変なところはどんなところですか?
中村:大変というか、時間がかかってしまうのは「どういう計画にしていこうか?」と案を練るところですね。実際に手を動かして図面を引いていく作業はそこまで時間はかかりません。大変なのはその手前の段階で、先ほどお話ししたゾーニングを踏まえながら、間取り、動線、デザインのすべてがガチっとはまってひとつの正解に辿り着くまで、その道筋は毎回違うし、すぐに辿り着く時もあれば、もう悩んで、悩んで、これでもない、こっちでもないというのを繰り返す時もあります。

逆に、このお仕事をされていて一番楽しい、嬉しいと思うのはどんな瞬間ですか?
中村:悩んで生み出したプランにお客さまが共感してくださった時でしょうか。それと、やっぱり、建物が完成して、お客さまから喜びの言葉が聞けたり、その喜びを共有してくださる瞬間ですね。
注文住宅は同じものがないので、毎回新しい経験で、使用する素材や常識もどんどん更新されていくので、それをインプットし続けるのは大変ですが、自分の引き出しが増えていく感覚を味わえるところも喜びのひとつかもしれないです。

お客さまとは約3時間ほどじっくり時間をかけて、ヒアリングをしています
今の自分が幸せだからこそ、
人の幸せに向き合える
このコーナーでは、毎回最後に「あなたにとって幸せって何ですか?」と伺っているのですが、中村さんにもぜひお伺いしたいです。
中村:そうですね、仕事とプライベートのバランスがちゃんと取れていて、どちらも大切に出来ているところは幸せなんじゃないかと思っています。仕事の量はけっこうありますが、なんとか定時で切り上げて、子どもを保育園へ迎えに行き、家族と夕食を食べて、子どもが寝たら自分の時間を持つことが出来ています。それはもちろん、リガードという会社の理解があるからこそ実現できていることですが、同じように、家族も自分の仕事や好きなことを理解してくれているのが有り難いです。だからこそ自分も家族のやりたいことを尊重していて、お互いに思い合える関係を築きながら生活を送っていることが、自分にとっての幸せかもしれないです。
そんなふうに、自分や家族との時間も大切されている建築士であれば、住宅はただの“箱”になることはないし、先ほどおっしゃっていた“この家で描きたい未来”を一緒に見つめながら、それを実現してくれる家が作れる気がしました。
中村:そう言っていただけると嬉しいです。たしかに、今の自分が幸せだからこそ、人の幸せに向き合い、考えながら、この仕事が出来ているような気がしますね。これからも、お客さまが描くイメージや未来をしっかりまんなかに置きながら、ひとつひとつカタチにしていけたらと思います。



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