Lifestyle stories
Regard person
電気工事士
小山さん
ずっと快適に住めるために、穴にも位置にも手をかけます
小さな穴ひとつで、すべてを台無しにしてしまうかもしれない
まずはじめに、小山さんが普段、家づくりの中でどんなお仕事をされているのか教えてください。
小山:主に注文住宅の電気工事と現場監督の仕事をしています。電気工事は、家に電気を通すための工事や配線、エアコンや照明の設置などですね。現場監督は、家を建てるまでの工程において、スケジュールや進捗の管理、この現場にはこの職人さんにお願いして・・・など、全体の管理や指示などを担う立場です。今は50棟くらいの案件を同時に進めています。
50棟を同時ですか!すごいですね。もともと小山さんは、なぜこのお仕事を始められたのですか?
小山:僕の場合、実家が工務店を営んでいたのが一番大きいですが、自然と自分もやりたいと思うようになりました。高校の建築学科を卒業後、電気工事の会社に勤めながら2級建築士の資格を取り、その後リガードに入社しました。リガードには6年ほど勤め、今は独立して自分の会社を持ちながら、リガードをはじめいろいろなハウスメーカーさんの現場で仕事をしています。
いろいろなメーカーさんの現場に携わられているとのことですが、リガードの家づくり特有の難しさ、大変なところはどんなところですか?
小山:電気工事でいうと、正直なところリガードの仕事はすごく難易度が高いですよ(笑)。ほかの現場ではあまりないですが、図面の他に電気工事に関する指示書があり、設計段階から細かいところまで考え抜かれているので、まずそれを忠実に、間違いなく実施するということが第一にあります。
建売りの新築工事ですと、電気のスイッチや個数、配線方法って大体同じなんです。リビングのこのあたりに一個、階段を上がったここに一個みたいに。ですが、リガードの注文住宅は一つひとつに違った想いやこだわりが詰まっていて、それがかなり細かいところまで行き届いています。住まう方のライフスタイルが間取りや設計だけはなく、細かな部分までも落とし込まれている感じです。
それは、具体的にはどんなところになるのでしょうか。
小山:たとえば、リガードの家だと、電気スイッチの位置や高さ、収まりなどが家ごとに異なっていたり、同じ家の中でもいろいろなパターンがあったりします。それと、普通の壁クロスではなく、特殊や仕上げ材の上に配線を通すことも多いので、繊細かつ絶対に失敗できない作業がかなり多いですね。
でも、一番は気密性じゃないでしょうか。リガードの家の特長のひとつに高い気密性があると思うんですが、電気工事で外部にコンセントを設置したりする場合、僕らの工事で空ける小さな穴ひとつで、その気密性を台無しにしてしまう可能性が出てきてしまいます。なので、そんなことがないように、小さな穴ひとつ開けるのも隙間を埋めるのも、毎回必ずていねいに行いますし、それをなぜやっているか、何のためなのかを、他の職人さんとも共有することがすごく大切になってきます。
図面からはイメージできない、現場でのリアルな気づきを大切に
リガードの家づくりに携わっていらっしゃる職人さんやエキスパートの方は、小山さんから見るとどんなふうに映っていますか?
小山:これもリガードの特長だと思うんですが、職人の皆さんは長くリガードの現場に入っている方ばかりなんですよ。一軒の家が建つまでにざっくり20種くらいの協力会社さんが関わっていますが、それらの協力会社の入れ替わりがほとんどありません。複数人いらっしゃる協力会社さんもあるので、一棟につき、ざっと60名くらいの職人さんが携わっていますが、リガードの現場では横の繋がりも強くて、みんな業種も会社も違うけど、1つのものを一緒に作り上げている感覚がすごくあります。“気心知れた同志”という感じですね。
この仕事をやられていて、小山さんが一番楽しいなと思う瞬間ってどんな瞬間ですか?
小山:やっぱり、電気を初めて通した時に家にパッと灯りがついた瞬間ですね。電気って一つ何か間違えているとつかないので。何度経験しても通電させる瞬間はやっぱり緊張しますし、ついた時は嬉しいです。それと、最初の図面とは違う配線や工事をお客様へご提案することが時々あるんですが、それが上手くいった時も嬉しいです。
たとえば、どういったご提案をされるんですか?
小山:そうですね、僕らが見ている図面にはスイッチの位置や配線の箇所がもともと書かれていて、図面とは別に指示書などもあります。普通はそれに沿って間違いがないように工事をするんですが、実際に現場で工事を進めていくなかで、お客様の家族構成やライフスタイル、部屋の使い方などを考えると「絶対ここは変更した方がいい」と思う時があるんです。
リガードで注文住宅を建てる場合、電気検査といって、お客様とリガードの担当者が建設中の現場でスイッチやコンセントの位置を最終確認するタイミングがあるので、そこで僕から変更のご相談をしたり、現場監督を通してお客様と相談してもらったりしています。
実は、今日のこの現場がまさにそれでした。ここのオーナーさん宅には小さなお子様がいらっしゃるんですが、お子様の手が届かないところにスイッチの位置を変更した方がいいんじゃないかと思って、ちょうど相談をしていたところでした。
電気検査は、工事の工数を増やしたり、スケジュールにも影響を与えたりするので、実施しないメーカーさんも多いですが、そもそもお客様は図面を見慣れていないですし、そこから全部をイメージするのって難しいですよね。実際に現場で一緒に確認してイメージを共有することってすごく大切だと、僕らは思っています。
ちょっと先の未来を、できる限り“具体的に”想像してみる
最近はオール電化の家も増え、充電して使う家電やガジェットもどんどん増えていますよね。それは小山さんの仕事にどんな影響を与えていますか?
小山:いろいろありますが、わかりやすいところで言うと掃除機ですね。コードレスの掃除機が主流になってきていますが、メーカーごとに充電スタンドの高さも大きさも違うので、それはちゃんと知っておかなければいけません。便利な家電が増えると同時にそう言ったこともどんどん増えています。それと、僕の肌感覚にはなってしまいますが、照明器具にこだわるお客様が増えているように思いますし、照明器具の種類も多くなっている気がします。これもやはり照明の種類によって回線形式が変わるので、対応は大変ですが、時代的に避けて通れないものだと思っています。
最後に。リガードで家を建てられるお客様へメッセージをお願いします。
小山:どんな細かいことや小さなことでも、ちょっとでも気になることがあれば何でも聞いてください!言ってください!ということですね。先ほども話に出た電気検査のタイミングであれば、電気工事はまだ変更がききますし、それ以前でも、確認しておきたい、相談したいことは、遠慮なくどんどん言ってもらいたいと思っています。一生に一度かもしれない家づくりですからね。
それと、家づくりを進める時はちょっと先の未来をできる限り“具体的に”想像してみてもらいたいです。たとえば「将来、電気自動車を買うかもしれない」という選択肢があるのであれば、家を建てる時にやっておけることが結構あります。「もしかしたら子どもが増えるかもしれない」のであれば、あとからでも変更できる間取りと一緒に、電気まわりもその可能性を踏まえたものをご提案することができます。そうすることで、今だけじゃなくて、長い年月ずっと快適に住むことのできる家ができるのではないかと思います。