＜Architect comment＞
敷地は、奥多摩からの静かな風を感じる閑静な住宅街に位置しています。
一般的な住宅街よりほんの少しおおらかなスケール感を味わいつつも、
設計のきっかけを探りながら住宅街を見渡すと街の見え方も少し変わります。
そこには趣がある家屋や新築が建ち並んでおり、新陳代謝も始まっていたが、
建物がほぼ同じ大きさであることに気づき、この場所ならではの質感と佇まいがぼんやりと浮かびました。
6人家族のご要望としては、自然とみんなが集まる空間とプライバシーの確保が求められました。
そこで、南向きという好条件ながら、道路と距離を保ちながら繋げるため、
格子を用いた中間領域の特別さに明暗を委ねることにし、
書斎や多目的小上がりを居間とひと続きに設えることで、
風景を違った角度で体感できる家族の居場所となればよいと考えました。
　
この佇まいが、街の質感を高めるような建築へ醸成して欲しいと願っています。