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冨士原雄太・進藤剛

住宅の“見えない場所”に宿る責任と誇り〜構造計算と施工管理、それぞれの視点から語るリガードの強い家づくり

一棟の家が建つまでに関わる人数は、おおよそ100名ほど。会社の数は平均で20〜30社にも及び、多種多様な専門家がひとつのチームを組み、一棟の家を創り上げていきます。 今回は、リガードの現場監督や建築士などを集めて行われていた、とある実証実験の場にお邪魔し、リガードの家を“内側”から支えるふたりの方にお話を伺いしました。お話しいただいたのは、構造計算を行い、住宅の安全を数値で司る構造技術チームのリーダー・進藤剛さんと、現場での確実な施工を統括する生産技術課責任者の冨士原雄太さん。それぞれの仕事や技術へのこだわり、そしてプロフェッショナルとして感じる“幸せ”とは?

住宅の“見えない場所”を支える、ふたりの職人

まず、おふたりがリガードの家づくりでどのような役割を担っているのか教えてください。

進藤剛さん(以下「進藤」):私は構造技術チームの責任者として、主に構造計算を担当しています。建築家が描いた図面をもとに、それが構造的に成り立っているか、そして、リガードがお客様にお約束している耐震等級を確実にクリアしているかを検証するのが役割です。

冨士原雄太さん(以下「冨士原」):私は生産技術課の責任者として、設計や構造、現場監督チームのマネジメントをしています。常に20〜25棟ほどの現場が同時に動いていますが、それらがスムーズに、かつ高品質に引き渡しまで進むよう、現場監督と連携を取りながら全体を統括しています。

おふたりとも、非常にユニークな経歴をお持ちだとうかがいました。

リガード社創立時から構造計算業務をリードしてきた進藤さん

進藤:私は、もともとドラッグストアの店員をしていました。そこから、かねてから興味のあった建築をちゃんと学ぶためにCADを勉強し、測量会社や公共土木の設計会社で経験を積みました。公共土木の設計会社では、皆さんが普段使っているような地下鉄の駅や高速道路、ダムやトンネルといった巨大な構造物の設計に携わってきました 。
リガードには、現在のリガードの代表に声をかけてもらったのがきっかけで入社しました。「これまで巨大な構造物をやってきたんだから、木造住宅なんて簡単だろう」と最初は高を括っていたのですが、実際にやってみると住宅の構造計算ははるかに難しく、奥深く、そして責任が重いことに気づかされました。公共工事は“地図に残る”というやりがいがありますが、住宅は“一生に一度の買い物”をされるお客様の顔や暮らしが直接見えます。絶対に失敗してはいけないという責任感をより強く感じるようになりました。

現場監督を統括しながら、若手の育成も担っている冨士原さん

冨士原:私はもともと大工をやっていて現場に立っていた経歴もあり、実はリガードで自分の家を建てた施主のひとりなんです。お客様が抱くリガードへの期待と、作る側の思いや苦労、その両方を深く理解できる立場として、職人さんとお客様をつなぐ“翻訳家”になれたら・・・と思いながら仕事をしています。

自社で「構造計算」を行う理由とは?

構造計算というと、工務店やハウスメーカーは“外注”するのが一般的だと聞きましたが、リガードではなぜ自社で行うことにこだわっているのでしょうか。

進藤:2023年4月の法改正で木造2階建てでも構造図書の添付が義務化されましたが、リガードはそれよりずっと前から自社で構造計算を行っています。最大のメリットは”スピード”と”精度”の両立ですね。自社で行うと、設計士のすぐ隣に私がいるので、細かな相談ができたり、意見のすり合わせが随時できます。リガードの構造計算は一度やって終わりではなく、お客様に図面を見せる度に何度も構造計算をし直します。
さらに、単に計算機を叩くだけではなく、京都大学の中川貴文先生が開発された『wallstat(ウォールスタット)』というシステムも導入しました。これは阪神・淡路大震災や、近年であれば能登の地震など、過去の実際の地震波データを使って、お客様が建てようとしている家が地震発生時にどう揺れて、どこから壊れるかを視覚化できるシミュレーションです。数字だけでは伝わりにくい安心を、目に見える形でお客様へお伝えするようにしています。

設計のプランを崩さずに構造を成立させるのは、かなり難しい技術が必要そうですね。

進藤:そうですね。たとえば、南側に大きな窓が多く、北側にしか壁がないようなプランだと、壁のバランスが崩れやすくなってしまいます。そういう時は、壁の強さを細かく調整することで、建築家が決めた壁の位置やプランをできるだけそのまま活かすことができます。そういった調整がどうしても難しい場合は、建築家と相談しながら「ここに柱や壁を入れさせてください」といったやり取りを重ねていきます。

揺れによって構造体や釘にどんな影響があるのか。“五感”で感じる勉強会

一本の釘の1ミリが、家族の家と命を守る根拠になる

今日の実証実験の勉強会は冨士原さんが企画されたそうですが、どんな思いで企画されたのでしょうか。

冨士原:今日は若手の現場監督や新卒社員を集めて、耐震テープや構造用面材を使った実験を行っています。正しく施工されたパネルや釘の位置やめり込みが基準を外れたパネル、耐震テープを施したパネルなどを用意して、地震を想定した揺れを発生させる装置で壊してみて、どれほど強さに違いが生まれるかを比較しています。

進藤:構造計算は“正しく施工されていること”が前提ですから、この実証実験は非常に重要ですね。

冨士原:そうなんです。机上で学ぶだけでなく、実際に動いて壊れるときの音や衝撃、壊れた部材に触れるなどの五感を通じて学ぶことで、意味や意義を記憶に刻むことができます。そういった経験は、住まい手の大切な家づくりを任されているという使命感につながると考えています。使命感は迷ったときに立ち返る大切なものです。

それぞれの分野で高い専門性を持つお二人ですが、お仕事を通じてどのような瞬間に“幸せ”を感じますか?

冨士原:私は現在、若手の育成に深く関わらせていただいているので、その人が変化したり成長したりする瞬間が見られるのが、何よりもうれしいですし、幸せを感じますね。以前は自分から意見を言わなかった子が、自ら体感した学びを経て「お客様のために、こうしたほうが良いと思います」と自然に提案し始めたとき、本当に変わったんだなと実感します。その成長のきっかけに関わり、その瞬間に立ち会えることが私の幸せです。

折れ曲がった釘を若手メンバーと確認する冨士原さん

進藤:私の場合は“構造計算の奥深さ”に触れた瞬間でしょうか。構造計算は数学や力学がベースになっているのですが、実は答えがひとつではないんです。 たとえば、私とチームメンバーで同じ図面を受け取っても、どの壁をどの強さで設定するか、どこに柱を配置するか——その組み合わせは無数にあります。ゴールは同じ耐震等級でも、そこへ至るルートが人によって違います。メンバーが作成した計算書をチェックしていると「あ、こういうやり方をしたんだ」「ここまで自分の頭でちゃんと考えているんだな」と気づく瞬間があり、それが一番の幸せですね。

構造計算は1度ではなく、お客様へ図面をお見せするごとに何度も行う

最後に、これからリガードでの家づくりを検討されている方へメッセージをお願いします。

進藤:家を建てるというのは、一生に一度くらいの大きな買い物です。だから、家づくりを検討されている方や迷っている方は、ネット上の情報だけでなく、ぜひモデルルームやOB宅訪問、施工中の現場などにいらしてください。現場の掃除の仕方ひとつでも、どれだけ丁寧に仕事をしているかがきっと伝わると思います。そして、分からないことは何でも質問してください。それに対して根拠を持って誠実に答えられるかどうかが、信頼できる会社かどうかの判断基準になるはずです。

冨士原:壁の中、床の下、基礎の中。家が完成してしまえば、私たちのこだわりの大半は目に見えなくなります。でも、その“見えない場所”こそ、私たちが最も誇りを持っている場所です。自信と覚悟を持って“見えない場所”を守り、一棟一棟に向き合っていますので、ぜひ一度、リガードの家を実際に見て、感じてもらえたら嬉しいです。

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