リガードな人たちのご紹介

Regard person
株式会社KAMIYA 営業部長
長尾謙介さん
ドアから考える住空間――室内ドアのトップブランド・KAMIYAとリガード、共鳴する「ものづくりの哲学」
「同じ匂いがする」――二人の社長の出会い
現在、リガードではKAMIYAのフルハイトドア®を標準装備にしていますが、リガードとKAMIYAの協業はいつごろ始まったのでしょうか。2社の出会いについて、まずは教えていただけますか。
KAMIYA・長尾謙介 様(以下「長尾」):きっかけは、私がたまたま読んでいた雑誌のインタビュー記事でした。リガードの内藤社長がそこで取り上げられていて、記事を読み進めるうちに「これは我が社の代表に会ってもらうべき人だ」と直感したんです。記事では、東京という市場で注文住宅を作り続ける工務店というポジションについてお話されていました。ハウスメーカーとの差別化や、量ではなく質を追求する姿勢が、KAMIYAの代表・神谷の考え方と重なって見えたんです。リガードさんとは当時1〜2回お仕事をしたことがある程度でしたが、思い切って内藤社長に直接電話をかけてみました。

「KAMIYAの長尾といいますが、内藤社長はいらっしゃいますか」と伝えると、なんと本当に内藤社長が出てくれたんです。自分で電話しておきながら、出ていただいた瞬間にビックリしてしまいました(笑)。
「実はこういう理由でうちの社長に会っていただきたいんですが」とお話したら、内藤社長はすぐに「いいよ、俺が行くよ」とおっしゃってくださいました。実際に来ていただいたのが2016年、ちょうど今から10年ほど前のことです。
初対面で名刺交換をした瞬間、二人の社長が「同じ匂いがするね」と言い合ったんです。握手をして「本当にそうですね」と。そこからリガードとKAMIYAのお付き合いが本格的に始まりました。
その後、フルハイトドア®がリガードの標準装備になっていきましたが、共感していること、二社に共通するものはどんなところにあると感じていますか。
長尾:根っこにあるのは、両社ともに「真剣に施主さんと向き合っている」というところだと思います。もともと私たちは下請けメーカーでしたので、家を建てる施主さんの顔は一切見えなかったんですね。業界の慣例として、商社→問屋→工務店→施主という流れがあって、私たちのお客さんはあくまで商社でした。
それに対してずっと「これで良いんだろうか」という思いがありました。商社に売れるための製品を作るのではなく、家を建てる施主さんに喜んでいただける製品を作るべきだ、と。それで、業界では初めて商社や問屋を介さないダイレクト販売に踏み切りました。リガードの皆さんもこういった考えにも賛同してくださいました。

届け方を変えたことによってどんな変化がありましたか。
長尾:施主さんがショールームにいらっしゃる機会が増え、お客様の顔が見えるようになりました。施主さんが喜ぶ家づくりをしたい、という思いでやってきたので直接お会いしていろいろなお話を聞けるようになったのはすごく嬉しいです。



今でこそさまざまなメーカーがハイドアを作っていますが、国内でいち早くハイドアに着目し「フルハイトドア®」を開発したのがKAMIYAです。リガードのお客様もKAMIYAをご存じの方がたくさんいますが、KAMIYAの長い歴史の中で、ここまで来るのにはいろいろな転機や苦労があったのではないでしょうか。
長尾:そうですね。KAMIYAの創業は1942年ですが、創業時から20年ほど前までは大手ハウスメーカーのOEM製作を行っていました。当時、国内には正直かっこいいと思えるドアがない中で、神谷社長が「ドアだけでも美しい空間を手に入れることができる」ということを見せたくて、誰からも頼まれていないのに作り始めたのが『フルハイトドア®』です。日本の住空間をもっと美しくしたいという思いと、業界の現状への問いかけが重なったところから生まれたものなんです。
そこから20年ほどかけてじっくりと積み上げてきましたが、SNSの普及やコロナ禍で自宅で過ごす時間が増えた人たちが、良い感じの家の写真を見て「このドアはなんだろう」と調べるようになってKAMIYAに辿り着いてくれる方がグッと増えました。
おっしゃる通り、今ではハイドアという市場を他社さんも追いかけてくるようになりましたが、20年間のブランドの積み重ねはそう簡単には追いつけないものだと自負しています。

リガードの空間設計とKAMIYAのドア、コラボレーションを始めて10年近くになりますが、なぜここまでフィットしていると思われますか?
長尾:リガードさんが気密・断熱などの住宅性能に非常にこだわっていることも大きいと感じています。性能が突き詰められていくと、次に追求するのはデザインです。ドアも同じで、日本人はもともと、ふすまのある住空間が基本でしたのでドアも低いものがほとんどでしたが、現代では洋式の住宅がスタンダートになりましたよね。その中で、ドアの可能性は広がり、より高く、より美しく設計することで空間のクオリティに寄与できるようになりました。
かつて、「家づくりにおいてこだわりたいパーツ」のアンケートを取ったところ、ドアはなんと27番目だったのですが、私たちは“ドアにできること”を信じて、より機能的で美しいドアにこだわってきました。住まいの機能性のデザイン性、どちらも追求しているというところもリガードさんとKAMIYAの共通点かもしれないですね。

商品をつくるのは営業の仕事
KAMIYAの商品開発のスタイルは独特だとお聞きしました。どんなプロセスで新しい製品を生み出しているのでしょうか。
長尾:多くのメーカーには商品開発部という、新しい製品を作るための専門部署が存在しますが、KAMIYAにはありません。営業部の私たちが商品開発も担っているんです。週に1回商品開発のミーティングがありますが、そこでの議長も営業部の仕事です。たくさんのお客様に接し、現場にもたくさん出向いている営業部の人間が、一番、いま求められているものや作るべき製品、改善点が見えているはずだ、ということです。それが分かっていなければ営業部としての存在価値がないくらいの感覚で私はやっています。


いわゆる”マーケットイン”の発想ですね。
長尾:そうですね。現場の声を聞き続けることが私たちにとって絶対的に必要です。それを持ち帰って開発に落とし込んでいく。リガードさんの現場にもしょっちゅうお邪魔していますが、現場監督の方や大工さんにたくさん改善点やアイデアをいただけるのがすごく有難いです。

差別化の先にある”希少性”の追求
リガードとの取り組みや現場の中で、特に印象に残っていることはありますか。
長尾:内藤社長が以前「差別化と希少性」についてお話されていたんですが、それがすごく印象に残っているというか、自分の中で今でもすごく大事にしています。
「工務店が最初に考えるのは差別化。他社と何が違うのか、どう違うのか。それが出来てくると次に”量”に走りがちなのではないか。20棟から100棟、200棟へ。量の戦いになると中小企業は絶対に大手には勝てないのに、なぜかそこへ行ってしまう」。内藤社長はそのようなことを話されていました。
KAMIYAでもこのことについてよく話をするんですが、差別化の次にやるべきことは”希少性”なのではないかと私たちは思っています。希少性をつくるということは、たとえば高く売る、ということがひとつのやり方ですが、値付けを高くするためにはとことんクオリティを追求しなければいけないですし、それを納得して買っていただくためにさまざまな工夫が必要になってきます。でも、そこにこそ良いものを長く作り続けるヒントと、みんなが幸せになれるスパイラルがあるように思うんですよね。リガードさんもまさにその道を歩まれているなと感じています。
このコーナーでは、毎回最後に「あなたにとって幸せって何ですか?」と伺っているのですが、長尾さんにもぜひお伺いしたいです。
長尾:そうですね。仕事以外のことで言いますと、家族旅行の時間はすごく幸せを感じますね。KAMIYAでは長い連休をいただくことが可能で、先日も2週間ほどお休みをいただいて沖縄へ行ってきました。”大切な家族のために良い仕事をしよう”というのもKAMIYAの理念のひとつなんです。
こういった時間があるからこそ、同じように家族との時間や空間を大切にされる施主さんのために良い仕事をしようと思いますし、これからもKAMIYAにしか出来ないモノづくりを続けていこうと思っています。






