耐震等級、耐風等級の計算要素 耐震性に影響する「壁倍率」って?

耐震等級3、耐風等級3を取得するには?

住宅性能表示基準の耐震等級や耐風等級では、「壁倍率」が壁の強さの計算に使われています。

書類などに目を通していると、この言葉がよく出て来ることに気が付くでしょう。

壁倍率とは、いったい何のことでしょうか?

今回は、耐震性に影響する壁倍率について見てみましょう。

壁倍率 – 壁の強さをどうやって測るか

まず、住宅には耐力壁というものがあります。

耐力壁とは、地震力や風圧力へ対抗する役割を担った、家の構造の強さを決める重要な壁のことを指します。

壁倍率というのは、この耐力壁がどの程度強いのか、ということを表す指標だと思ってください。

1.0という壁倍率の壁に比べ、同じくらい変形させるのに5倍の力が必要な壁には、5.0という壁倍率で評価されます。

「変形しにくい壁 = 強い壁」と考えている訳ですね。

実際には、壁ごとに壁倍率を測るといったことはせずに、建築基準法で壁の種類に対応した壁倍率が定められています。

その値を使って、耐力壁の長さ×壁倍率で建物全体の強さを計算します。

この強さから、壁の偏心と建物の老朽度に応じて数値を差し引き、実際の耐力を算出することになります。

壁倍率は構造計算、壁量計算に使われる

住宅の耐震性を担保し、耐震等級や耐風等級を取得するには、通常は構造計算を行います。

ただし、4号建築と呼ばれる住宅(主に木造、2階建て以下の住宅)では、耐震等級を取得する上で、簡易計算でもOKということになっています。

簡易計算項目の一つに「壁量計算」というものがあります。これはざっくり言うと、住宅の耐力壁の壁倍率を足していって、必要壁量を超えるかどうかを調べるというものです。

構造計算、簡易計算のいずれにおいても、壁倍率が使われるので、耐震性や耐風性のある強い壁が評価される仕組みになっています。

壁量計算を含む簡易計算より、構造計算を勧めたい理由

壁倍率の高い材質ほどコストが高いので、コストダウンのためには効率よくこれらを配置していき、地震や台風に耐える家を作ることになります。

より効果的な配置のためには、簡易計算ではなく、構造計算がどうしても必要となってきます。

ですから、たとえ4号建築であっても施主様のことを考えれば構造計算をやった方がいいと、リガードでは考えています。

参考記事

・住宅の構造計算って何をするの? 4号建築という特例って?

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