
家族と一緒に育つ家
Interview
子どもが生まれて、それまで住んでいた賃貸では手狭になると考えて家づくりをはじめたSさまご夫妻。間取りが決まっているマンションや一戸建て分譲ではなく、注文住宅を建てることにしました。ホームページで見たOB宅のイメージが希望のテイストに近かったことから興味を持ち、アトリエ建築家と一緒に建てるリガードの注文住宅を選びました。完成した住まいは、家の東側にいくつも窓が並ぶ一方で、西側には窓がなく閉じた印象を与えます。一方で中はとても明るく開放的で、気配が伝わるほどよいつながりが気持ちいい、二面性を備えた家になりました。
1階は広い土間玄関から続くワンフロアのLDK。奥にキッチンと水回りを一直線に並べ、コンパクトにレイアウト。家事動線をシンプルにまとめました。キッチンに立つとフロアを広く見渡せるので、子どもがどこで遊んでいても目配りできます。「互いに目が届く距離感がいいですね。キッチンで家事していても孤立しないように考えてもらいました」と奥さま。キッチン背面のカップボードは一枚板で、一角に奥さま専用のカウンターを備えています。専用カウンターはパソコン作業やミシン、お化粧もできるマルチスペースです。土間玄関は、住まいの内と外をつなぐ中間的なスペース。遮るものがなく大きな窓から光がいっぱい入るので、明るく開放的。上部にはシースルーのリビングイン階段が上下階をつないでいて、縦のつながりと広がりを生んでいます。「土間玄関は雨の日でも汚れを気にせず使えて、子どもの遊び場にもなりますし、これだけの大きさがあるので、おうちでキャンプ気分も楽しめます」とご主人。
階段を上がると広々としたフリースペース。仕切りのないオープンスペースは、ライフステージの変化に合わせて使い方も自在。テントも張れる広さと開放感は圧巻です。また、収納があるとモノが増えてしまうと考えて、あえて少なくしました。扉で仕切らないオープンクローゼットは風通しがよく、アクセスしやすいのもポイント。居住スペースを少しでも広く、ストレスなく使えるアイデアのひとつです。
内装はライフスタイルが映えるシンプルなデザイン。「ナチュラルな素材を使いたくて、できれば自分たちで手をかけるところを残したかったんです」と奥さま。コーディネーターからの提案で階段の踏み板には色を入れず、自分たちで蜜蝋を塗って仕上げました。そういった家づくりを楽しむ余白があるのも注文住宅ならでは。床材にはアカシアを選びました。「節が立って杢目が個性的、色合いや質感もナチュラルでいい」とご主人。「この家に合うインテリア選びにもこだわりました。大変だったけど楽しかった」と奥さま。住みはじめてからも少しずつ自分たちの好きなテイストに仕上げていっています。「密閉性が高く24時間換気なので、湿気がこもらずカラッとしていて過ごしやすい。それに防音性も高いので、子どもがはしゃぐ声がご近所迷惑かも?とか気にしなくていいし、気兼ねなくギターも弾けます」と笑顔のご主人。
ライフスタイルの移り変わりにも柔軟にフィットする、使い方を選ばないのびのびとした空間設計。子どもの成長を見守りながら暮らしを楽しみ、住んでからも家づくりを楽しむ家が完成しました。