スクエアな窓がリズミカルに並ぶモダンな外観は、雨どいなどの要素を目立たせることなく、すっきりとした造形も美しいデザインです。玄関回りには木目のパネルを使ってアクセントを付けました。真っ白な外壁の塗りはわずかにウェーブがかかっていて、表情も豊か。周辺の街並みに馴染む落ち着きある佇まいの中にも、存在感が際立ちます。

「注文住宅を建てるからには、自分たちが望む暮らしに合うようにしたかった」というYさま。家族が居心地よく過ごせる空間づくりと、家の構造そのものがデザインとなる美しい空間がテーマです。空間に合わせてモノは少なく、シンプルに。光や風が設計通りに心地よく、安らぎに満ちたライフスタイルを実現しています。

無垢材のフローリングのやわらかさと、無駄のない造形が見た目にも心地よいリビング・ダイニング。リズミカルに並んだ小窓から時間に応じた外光が室内に届き、室内はいつも落ち着いた明るさに保たれています。テーブルやソファなどのインテリアもシンプルなデザインのものを選び、住まい全体のテイストをコントロールしています。

Yさまご夫妻の家づくりのテーマの一つが、“頼れるキッチン”。「あまり料理が好きではなかったので、見ているだけでも気持ちがあがるようなキッチンにしようと、こだわりました」と奥さま。重厚感のある黒のキッチンは、コの字型にカスタマイズしました。数人が同時に調理できるほど広々としていて、ピクチャーウィンドウの向こうにウッドデッキの内庭がのぞき、明るく開放感に満たされています。

屋根の勾配を活かした天井の高い開放的なサニタリールーム。スリットの高窓から、やわらかな光が下りてくる清々しい空間に仕上げました。朝の光の入り方を考慮して、暮らしにすこやかなリズムを与えてくれる設計は、写真だけでは伝わらない心地よさを提供してくれる、建築家ならではの設計と言えます。

扉などの間仕切りは必要最小限に留め、開放的で落ち着きのある空間に仕上げました。光や風だけでなく隅々まで視線が通り抜け、いつでも子どもに気配りができ、親子が互いに安心して過ごすことができます。ナチュラルなフローリングは、表情豊かな木目がお気に入りというタモの無垢材をチョイス。木肌のぬくもりと触感を感じられるブラッシング加工を施しました。